ソーシャル・キャピタルに関する研究の流れを知るのに役立つ本

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一般社団法人レジリエンス研究会の「組織レジリエンス研究会」における議論の中で、災害に対する企業のレジリエンスにソーシャル・キャピタル(social capital)が与える影響を考慮すべきではないか、という意見がありました。しかしながら、このソーシャル・キャピタルという概念に関して、何となくどういうものかは知っているものの、議論に使えるほど理解していないことも認識しました。

「ソーシャル・キャピタル」については複数の定義が知られているようですが、まずはこれまでどのような研究が行われ、どのようなことが議論されているのかを知っておくのが大事だと思いますので、それらを知るために役立つ本について、ここにメモしておきます。

 

今村晴彦、園田紫乃、金子郁容(2010)『コミュニティのちから― “遠慮がちな” ソーシャル・キャピタルの発見』慶應義塾大学出版会

https://www.amazon.co.jp/dp/4766417526

第 2 章の「1 ソーシャル・キャピタルという考え方」の中で、116 〜 123 ページに、ソーシャル・キャピタルの概念や先行研究に関する記述があります。また内閣府国民生活局市民活動推進課が 2002 年に実施した「平成14年度 ソーシャル・キャピタル:豊かな人間関係と市民活動の好循環を求めて」も紹介されていて、大変助かりました。

内閣府国民生活局市民活動推進課「平成14年度 ソーシャル・キャピタル:豊かな人間関係と市民活動の好循環を求めて」
https://www.npo-homepage.go.jp/toukei/2009izen-chousa/2009izen-sonota/2002social-capital

 

アルドリッチ, D. P.(2015)(石田祐・藤澤由和訳)『災害復興におけるソーシャル・キャピタルの役割とは何か:地域再建とレジリエンスの構築』ミネルヴァ書房

https://www.amazon.co.jp/dp/4623072665

第 1 章の「4 ソーシャル・キャピタル – 研究途上の要素」(16 〜 18 ページ)に、ソーシャル・キャピタルに関する研究の歴史や、特に災害復興とソーシャル・キャピタルとの関係を中心に、どのような議論が行われてきたかが記述されています。
 

(BiBTeX)
author = "今村 晴彦 and 園田 紫乃 and 金子 郁容",
yomi = "Haruhiko Imamura",
title = "コミュニティのちから― “遠慮がちな” ソーシャル・キャピタルの発見",
publisher = "慶應義塾大学出版会",
year = 2010,
(BiBTeX)
author = "アルドリッチ, D. P.",
yomi = "Aldrich",
title = "災害復興におけるソーシャル・キャピタルの役割とは何か:地域再建とレジリエンスの構築",
publisher = "ミネルヴァ書房",
note = "石田祐・藤澤由和訳",
year = 2015,

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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