月別アーカイブ: 2019年10月

寄稿> 企業活動にかかわる様々なリスクを経営層や監査役がどのように認識しているのか

このエントリーをはてなブックマークに追加

「リスク対策.com」 Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第80回:企業活動にかかわる様々なリスクを経営層や監査役がどのように認識しているのか
The Institute of Internal Auditors (IIA) / OnRisk 2020: A Guide to Understanding, Aligning, and Optimizing Risk

内部監査人協会が主に北米企業を調査対象として、取締役、役員、および監査役の方々の、様々なリスクに対する認識度合いを調べたものです。日本企業を対象として同じような調査をしたら、また変わった結果になるかも知れません。

https://www.risktaisaku.com/articles/-/21198




大阪の高石商工会議所が「BCP(事業継続計画)ワークショップ」開催

このエントリーをはてなブックマークに追加

2019 年 12 月 11 日(水)13:00 から 16:30 まで、高石商工会議所で「BCP(事業継続計画)ワークショップ」が開催されるそうです。下記 URL で募集チラシをご覧いただけます。
https://www.tadaoka.or.jp/seminer/seminar_takaishi20191211.pdf

泉大津商工会議所和泉商工会議所忠岡町商工会の共催となっています。)

講師は「東京海上日動火災保険株式会社」と書かれていますが、実際にはその子会社である「東京海上日動リスクコンサルティング」のコンサルタントが担当されるのではないかと思います。

チラシを見ると「BCP が僅か『半日』で策定できるようになる!」と書かれています。これをご覧になった方々の中には、「本当に半日でできるのか?」と疑いの目で見られる方も少なくないと思います。しかし、BCP の重要なポイントを押さえていただければ、半日で BCP の基本的な部分を固めることは十分可能ですし、私自身もそのような仕事をこれまで何度もさせていただきました。

特に対象が中小企業で、経営者(もしくは自社の事業状況を概ね把握されている幹部社員の方)が参画してくだされば、企業の実態に合わせて事業影響度分析(Business Impact Analysis:BIA)の手順を若干簡素化して実施することで、その企業における事業再開や復旧に取り組む上でのキモが分かります。その結果を踏まえて検討すれば、その企業にとって現実的かつ実用的な BCP の基本部分を半日程度で作ることができます(詳細な手順の文書化には別途時間がかかりますが)。

したがって、このワークショップが具体的にどのような内容になるのかは分かりませんが、「BCP が僅か『半日』で策定できるようになる!」というのも十分現実的な範囲ではないかと思います。

しかしながら本件に関しては、机上シミュレーション形式の体験型で BCP の必要性について学ぶというアクティビティまで含まれていますので、結構欲張りな企画のように思います。担当されるコンサルタントは結構大変なのではないかと思いますが、このような企画が全国各地で行われ、BCM に取り組む企業が少しでも増えると良いのではないかと思います。




鹿児島銀行が BCP 策定支援サービスを開始

このエントリーをはてなブックマークに追加

鹿児島銀行がグループ会社の九州経済研究所や倉庫業の九州共同(株)などと組んで事業継続計画(BCP)策定を支援するサービスを始めたそうです。

「鹿児島銀、BCP策定支援サービス 」(日経新聞 Web サイト 2019/10/23 付記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51293690T21C19A0LX0000/

鹿児島銀行 2019/10/21 付プレスリリース
https://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/news20191021_021.pdf

九州経済研究所 Web サイト(https://www.ker.co.jp)に掲載されている同研究所のコンサルティングサービスには、今のところ BCP に関するコンサルティングが掲載されていませんので、これを機に新規参入されたのかもしれません。いずれにしても、事業継続マネジメント(BCM)に関するビジネスに取り組む方々が増えるのは、BCM の普及に繋がると思います。

しかも本件においては、鹿児島銀行の営業担当者が企業からニーズを聞き出して九州経済研究所のコンサルタントに繋ぐという事ですので、地域密着の営業網を通じて BCM の普及が進む可能性が期待できます。

なお九州共同(株) の Web サイト(https://www.k-kyodo.co.jp)には、本件に関する情報は見当たりませんでした。

ところで、鹿児島銀行のプレスリリースには、「地域別 BCP 策定率」として次のような数字が掲載されています。

  • 全国平均: 15.0%
  • 鹿児島県: 11.3%
  • 宮崎県: 16.7%
  • 沖縄県: 10.5%

「民間調査会社調べ」としか書いてありませんので情報源が不明ですが、先日このブログでご紹介した日本商工会議所 LOBO 調査での全国平均が 14.5%、帝国データバンク千葉支店による調査での千葉県内の企業における BCP 策定率が 14.9% であり、上の数字ととても近いので、やはり日本企業における BCP 策定率の相場感はこのくらいなのかな、と思います。




台風 19 号の影響でスバルの工場が操業停止

このエントリーをはてなブックマークに追加

スバルでは台風 19 号の影響で、16 日午後 3 時すぎから群馬県太田市の本工場を含む複数の工場で操業を停止したそうです。操業再開は 25 日の見込みとのことです。

【台風19号】スバル、車生産停止 部品取引先被災が打撃(下野新聞 Web サイト 2019/10/23 付記事)
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/235065

(ニュースサイトの記事はそのうち削除される場合が多いので、勝手ながら魚拓を取らせていただきました。
https://megalodon.jp/2019-1024-1938-12/https://www.shimotsuke.co.jp:443/articles/-/235065

上の記事によると、被害を受けたサプライヤーが相当数ある中で、代替のきかない重要なサプライヤー数社が冠水による事業中断に陥ったとのことで、スバルから重要サプライヤーに対して設備保全担当社員を送り込んで支援しているようです。

このような事案が発生すると、「事業中断に陥ったこと」事態が必要以上に注目され、「このようなことにならないよう万全の災害対策を」みたいな意見が多数出てくるのでしょうが、サプライチェーンの脆弱性あれだけ大規模な被害をもたらした台風ですから、多くの企業が事業中断に陥るのは、(たとえ BCM の取り組みが行われていたとしても)ある程度やむを得ないと思います。事業中断に陥ってはいけないのではなく、事業中断をどの程度の期間に収めればよいかを考え、ある程度の事業中断は許容するという共通理解のもとに、サプライヤーを含む関係者が協力しあって事業の再開・復旧を目指せれば良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。




日本商工会議所 LOBO 調査における BCP 策定状況の調査結果(2019 年 9 月)

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本商工会議所が実施している早期景気観測調査(LOBO 調査)の 2019 年 9 月調査(9 月 30 日公表)では、「付帯調査テーマ」のひとつが「事業継続計画(BCP)の策定状況」となっていました。調査結果は下記 URL に掲載されています。

https://cci-lobo.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/LOBO201909-1.pdf

BCP の策定状況に関する調査結果は上記リンク先にある PDF ファイルの 3 ページ目(表紙を除くと 2 ページ目)に記載されており、BCP を策定済みの企業は 14.5% となっています。

調査対象は日本商工会議所の会員企業であり、かつ日本商工会議所の会員企業の約 9 割が中小企業であることから、この調査結果には日本の中小企業における実態が反映されていると考えて良いでしょう。

先日掲載した帝国データバンク千葉支店による調査では、千葉県内の企業における BCP 策定率が 14.9% との事でしたが、これと非常に近い数字となっています。

あくまでも個人的な意見ですが、内閣府の調査による数字よりもこれらの数字のほうが日本企業における BCP の実態に近いのではないかと思います。もちろん内閣府の調査が信頼できないという意味ではなく、内閣府の調査の方が調査対象における大企業の割合が多いので、調査結果も大企業寄りになっているのではないか、という事です。




千葉県内企業における BCP 策定率は 14.9%(帝国データバンク調査)

このエントリーをはてなブックマークに追加

2019 年 10 月 9 日付け『千葉日報』Web サイトで下記の記事を見つけました。

「BCP策定14.9%止まり 帝国データバンク調査、中小企業ほど割合低く」
https://www.chibanippo.co.jp/news/economics/634075 (2019 年 10 月 18 日アクセス)

帝国データバンク千葉支店が県内企業を対象として今年 5 月に実施したアンケート調査(回答数 222 社)によると、県内企業で BCP を策定している企業は 14.9% なのだそうです。

いかんせん有料記事なので詳細を読めず (^_^; 、帝国データバンクの Web サイトにも本件が掲載されていないため詳細不明なのですが、内閣府が 2018 年 2〜3 月に実施した実態調査によると、BCP 策定済みと回答している企業は 38.2%(大企業に限れば 64.0%)となっていますので、この数字と比べると見劣りがするかな、というところです。

もちろん調査対象や手法など詳細がわかりませんので、単純比較して良いかどうかは疑問ですが、いずれにしても低い数字であることには変わりがないので、BCP およびその素地となる事業継続マネジメント(BCM)の普及を早く進めていきたいところです。




(株)リプラスが台風19号で被災された方々を対象としてデータ復旧サービス20%オフ

このエントリーをはてなブックマークに追加

データ復旧サービスを専門に提供している(株)リプラスが、台風 19 号で被災した方々を対象として、サーバ・NAS・外付けHDD、パソコン機器からのデータ復旧サービスを 20% 引きで提供するそうです。

情報元のサイトはこちら(最終アクセス: 2019 年 10 月 18 日)。
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000009.000005204&g=prt

また同社の Web サイトはこちら。
http://www.riplus.co.jp/

なお(私もこれまで知らなかったのですが)同社の Web サイト上の記述によると、浸水被害を受けた HDD は乾燥しないようにして持ち込むのが良いそうです。詳しくは上記の情報元のサイトをご参照ください。




国際航業(株)が令和元年台風 10 号による被災地の航空写真を公開

このエントリーをはてなブックマークに追加

国際航業株式会社は、株式会社パスコと共同で、令和元年台風 10 号の被災地の航空写真を撮影し、同社 Web サイトにて公開しました。

撮影は次の各地上空において 10 月 13 日に実施されています。多数の写真が掲載されているだけでなく、撮影場所や角度が地図上で示されており、分かりやすく、資料としての利用価値も高いのではないかと思います。

  • 栃木県渡良瀬川流域
  • 埼玉県 越辺川・都幾川流域
  • 長野県千曲川流域

掲載場所の URL は下記の通りです。https://www.kkc.co.jp/service/bousai/csr/disaster/201910_typhoon19/index.html

 




寄稿> 事業継続マネジメントに関するROIはどのように測るのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

「リスク対策.com」Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第79回:事業継続マネジメントに関するROIはどのように測るのか?
ClearView, Assurance / 2019 Business Continuity Benchmark Study

BCI、DRII、ACP という BCM 業界を代表する 3 団体の協力を得て実施されたアンケート調査の結果から、国際規格の活用や BCM への取組状況、さらには BCM の活動状況の評価方法などが世界規模で分かる調査報告書となっています。

https://www.risktaisaku.com/articles/-/20681




書籍紹介『フルキャリマネジメント―子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得』武田佳奈(著)

このエントリーをはてなブックマークに追加

著者はキャリア重視の「バリキャリ」でも、私生活重視の「ゆるキャリ」でもない新しい価値観として、仕事やキャリアにも、暮らしや子育てにも意欲を持って取り組む「フルキャリ」の存在に注目しています。本書はそんな「フルキャリ」の実態をアンケート調査によって明らかにしつつ、本人が、そしてその上司がどのように取り組むべきかを提言しています。

武田佳奈(著)『フルキャリマネジメント―子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得』東洋経済新報社(2019 年)

著者は野村総合研究所のコンサルタントであり、野村総研が 2018 年に実施したアンケート調査の結果に基づいて構成されているので、本全体がこのアンケート調査の報告書という見方もできるかと思います。

最近「ワークライフバランス」や「働き方改革」というキーワードをよく目にするようになりましたが、これらが単に労働時間短縮や残業削減、産休・育児休暇の取得の話だと思われている方々も、まだまだ多いのではないかと思います。

上司(特に男性の)が上のような理解をしていると、家事や育児との両立に取り組んでいる部下に対して、仕事量をセーブしたり、仕事の成果に対する期待値を下げるような配慮をしがちであり、(それがありがたいと思われる部下もおられるでしょうが)フルキャリの部下にとってはかえってもどかしいと思われてしまう、という現実があるようです。

仕事もキャリアも子育てもあきらめたくないと言うと、「二兎を追うな」というような反応をされる方も少なくない中で、本書はいかにうまく二兎を追うかを考えるヒントになる本なのではないかと思います。

調査結果のなかで特に個人的に注目した点のひとつは、出産・育児休暇の後に復職した女性の中には、実は自分自身が「フルキャリ」を目指したいのかどうかがよく分かっていなかったという方々が意外と多く、そういう方々は休暇を迎えるにあたり、上司に何を相談したいか、何を伝えるべきなのか、よく分からなかったそうです。本人ですら自分の本音が漠然としているのですから、上司としても難しい対応を迫られるのだろうと思います。

本書ではそのような、一般には気づかれにくい課題にも目を向けつつ、「ワークライフバランス」に「グロース」(growth:成長)を加えて「ワークライフ&グロースバランス」という概念を提案し、個人として、上司として、企業として何をすべきかが説かれています。