演習」タグアーカイブ

10 月開催> BCPの実効性を高める演習の企画・運営講座

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これまで 2022 年 8 月から 4 回開催されていずれも好評だった、新建新聞社主催の「BCPの実効性を高める演習の企画・運営講座」の 5 回目を、2023 年 10 月 25 日(水)に開催させていただくことになりました。

過去 4 回の参加者の皆様からいただいたフィードバックをとりいれ、新建新聞社様とも相談して、ワークショップの進め方を若干アップデートしてお届けします。より皆様にとって分かりやすく、役立つ講座にしていきますので、是非ご参加いただければと思います。

プログラムの詳細、およびお申し込み方法につきましては、下記 URL をご参照ください。
https://www.risktaisaku.com/feature/seminar/risk_exercise

皆様のご参加をお待ちしております。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです。

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合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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BCI 日本支部 2023 年度第 2 回定例会を開催します

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私が事務局を務めております BCI 日本支部が、今年度第 2 回定例会を 2023 年 9 月 8 日(金)15:00 から開催します。BCI 会員でなくても無料で参加できます。

今回は、効果的な演習の進め方に関するノウハウについて議論したいと思います。 演習の進め方については過去の定例会でも取り扱ってきましたが、今回は机上演習やシミュレーション演習をより効果的に進めるためのポイントや、演習の後に行う振り返り(反省会)における効果的なファシリテーションの方法を中心に議論したいと思います。 いずれも事務局から若干の情報提供やヒントをお示ししつつ、参加者の皆様からも経験談などを伺いながら、生きたノウハウを共有できるような会にしたいと考えておりますので、皆様の積極的なご参加をお願いいたします。

今回は都内(神田/御茶ノ水近辺)とオンラインのハイブリッド形式での開催となります。

BCI 会員でなく、BCI の Web サイトへのメンバー登録をされていない方は、まずメンバー登録(無料)が必要ですので、下記リンク先の説明を参考にして、まずメンバー登録を行ってください。
https://office-src.com/bci_web_reg

また BCI 会員の方や、BCI の Web サイトへのメンバー登録済の方は、まず BCI の Web サイトにログインしてから下記リンク先にアクセスし、対面で参加希望の方はページの下の方にある「Register to Attend in Person」を、オンラインで参加希望の方は「Register to attend Virtually!」をクリックしてください。
https://www.thebci.org/event-detail/event-calendar/japan-fy2023-second-regular-meeting.html

皆様のご参加をお待ちしております。

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7 月開催> BCPの実効性を高める演習の企画・運営講座

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これまで 2022 年 8 月 と 12 月、2023 年 3 月に開催されて好評だった、新建新聞社主催の「BCPの実効性を高める演習の企画・運営講座」の 4 回目を、2023 年 7 月 12 日(水)に開催させていただくことになりました。

過去 3 回の参加者の皆様からいただいたフィードバックをとりいれ、新建新聞社様とも相談して、ワークショップの進め方を若干アップデートしてお届けします。より皆様にとって分かりやすく、役立つ講座にしていきますので、是非ご参加いただければと思います。

プログラムの詳細、およびお申し込み方法につきましては、下記 URL をご参照ください。
https://www.risktaisaku.com/feature/seminar/risk_exercise

皆様のご参加をお待ちしております。

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3 月開催> BCPの実効性を高める演習の企画・運営講座

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これまで 2022 年 8 月 と 12 月に開催されて好評だった、新建新聞社主催の「BCPの実効性を高める演習の企画・運営講座」の 3 回目を、2023 年 3 月 29 日(水)に開催させていただくことになりました。

過去 2 回の参加者の皆様からいただいたフィードバックをとりいれ、新建新聞社様とも相談して、ワークショップの進め方を若干アップデートしてお届けします。より皆様にとって分かりやすく、役立つ講座にしていきますので、是非ご参加いただければと思います。

プログラムの詳細、およびお申し込み方法につきましては、下記 URL をご参照ください。
https://www.risktaisaku.com/feature/seminar/risk_exercise

皆様のご参加をお待ちしております。

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再開催決定!> BCP の実効性を高める演習の企画・運営講座

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去る 8 月 24 日に開催されました、新建新聞社主催の「BCPの実効性を高めるワークショップ型演習の企画・運営講座」を、好評につき 12 月 22 日(木)に再度開催させていただくことになりました。

8 月に開催したときの参加者の皆様からも、とてもポジティブな感想をいただきましたが、実際に開催してみて分かったこともあったので、新建新聞社様とも相談して、ワークショップの進め方を若干アップデートすることにしました。より皆様にとって分かりやすく、役立つ講座にしていきますので、是非ご参加いただければと思います。

プログラムの詳細、およびお申し込み方法につきましては、下記 URL をご参照ください。
https://www.risktaisaku.com/feature/seminar/risk_exercise

皆様のご参加をお待ちしております。

(当初 12 月 7 日(水)に開催予定でしたが、日程が変更となりました。)

 

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開催報告> BCPの実効性を高めるワークショップ型演習の企画・運営講座

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8 月 24 日(水)に開催されました、新建新聞社主催の「BCPの実効性を高めるワークショップ型演習の企画・運営講座」にて講師を担当させていただきました。

今回の企画においては新建新聞社様と相談し、参加者の皆様に演習の企画・運営を体験していただきながら、演習のノウハウを身につけていただけるようなワークショップを考案しました。

内容の詳細につきましては次の URL(リスク対策.com Web サイト)をご参照ください。
https://www.risktaisaku.com/feature/seminar/risk_exercise

当日は企業で BCM を担当されている方々にご参加いただきました。皆様すでに自社にてそれぞれ演習に取り組まれており、何らかの問題意識を持たれた方が多かったためか、ワークショップやディスカッションにも積極的で、鋭いご質問も多数いただきました。

参加者の皆様にも好評だったようですので、また秋ごろに実施できればと思っております。

 

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寄稿> BCP の実効性を高める「演習」のポイント

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新建新聞社様の Web メディア「リスク対策.com」に標記のような記事を寄稿させていただきました。

実は新建新聞社様の主催で、演習の企画・運営に必要なノウハウを学ぶための講座を 8 月下旬に開かせていただくことになっており、そのための PR を兼ねた記事なのですが、BCP に基づく演習を実施することの意義や、演習を企画・運営する上でのポイントなどについて解説させていただきました。

次の URL からお読みいただければ幸いです。

https://www.risktaisaku.com/articles/-/71063

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BCI 日本支部 2021 年度第 1 回定例会

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私が事務局を務めております BCI の日本支部で、7 月 7 日に今年度第 1 回の定例会を開催しましたが、その開催報告が BCI の Web サイトに掲載されました。

下記 URL にて、どなたでもご覧になれます。
https://www.thebci.org/news/bci-2021-1.html

説明に使用したスライド(PowerPoint)もダウンロードできます。

会合の様子を録画した動画もご覧いただけますが、動画にアクセスする際に氏名とメールアドレスを入力する必要がありますので、ご注意ください(BCI 会員でなくてもご覧になれます)。

今回の会合での主な話題は次の 2 つです。

  • CBCI 試験の受験方法に関する説明
  • 自治体における演習の実践事例

これらのうち、演習の実践事例に関しては、私自身が担当させていただいたコンサルティング案件における事例から、具体的な演習手法とその実施結果を共有させていただきました。

また、演習に関しては参加者どうしで活発な情報共有や質疑応答などがありました。動画では私以外の参加者の発言はカットさせていただきましたが、発言内容の要点は開催報告に記述させていただきましたので、ご参照いただければ幸いです。

 

なお、今年度から参加者の皆様に発言していただく時間を増やしたため、開催報告の文字数が多くなり、プレーンテキストだとかなり読みにくくなってしまいました。次回以降は書式を整えて PDF で掲載してもらった方が良いかなと考えています。

 

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

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合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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E ラーニング「効果的な緊急事態対応のための演習のノウハウ」開講しました

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新建新聞社様の Web サイト「リスク対策.com」で展開されている「危機管理分野のEラーニング」シリーズの一つとして、私が担当させていただいた「効果的な緊急事態対応のための演習のノウハウ」が本日より開講しました。

下の画像をクリックしていただくと、講座概要と受講申込のページにアクセスできます。

収録は 2 月 25 日に行われ、編集なども特に問題なく進んだと伺っていますが、新型コロナウィルスの影響で状況が変わったため、諸々の事情を考慮して開講時期が延期され、ようやく本日開講となりました。

講座の内容など詳細は上のリンク先をご覧いただければと思いますが、実際にコンサルティングの現場で使っている手法のうち、業種を問わず多くの組織で汎用的に活用できる部分を選んで、できるだけ皆様ご自身が自力で演習に取り組んでいただけるよう、内容や説明のしかたを検討させていただきました。

実務で使えるワークシートや文書ひな形のファイルもダウンロードできるようになっていますので、皆様それぞれ工夫して活用していただければと思います。

少しでも多くの組織において、緊急事態対応や事業継続に関する演習を定常的に実施していただき、事故や災害などの非常事態への備えを見直すために役立てていただければ幸いです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「演習」と「訓練」は使い分けるべき

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本件については既にいろいろなところで申し上げていますし、私のオリジナルでもありませんので、特に目新しい話題ではありませんが、少しずつでも普及させるには地道に繰り返していく必要があると思いますので、ここで改めて文章にしておきたいと思います。

災害対策や事業継続マネジメント、さらには緊急事態対応などに関する活動において、演習や訓練が不可欠なのは言うまでもありません。しかしながら「演習」と「訓練」は別の用語であるにも関わらず、日本においてはこれらが正しく使い分けられておらず、混同されることが多いのが現状です。

例えば内閣府(防災担当)が 2013 年 8 月に発表した「事業継続ガイドライン」第三版(注 1)では、本来は「演習」と「訓練」とが本来使い分けられるべきであることを認識しつつも、「日本国内における一般的な分かりやすさを優先し、厳密な使い分けはしない」という立場がとられています(P. 30)。内閣府(防災担当)がそう書かざるをえないくらい、世間では混同されているということでしょう。

しかしながら、これらの用語が正しく理解されないと、演習や訓練を行う際の目的が曖昧になるおそれがあり、その結果として演習や訓練から期待される成果が得られにくくなる可能性があります。そこで本稿ではこれらの用語の意味や使い分け方を整理して説明させていただきます。また、本稿の内容は私の勝手な意見や思い込みではなく、国際的なコンセンサスに基づいていますので、その根拠もお示ししておきたいと思います。

なお本稿はあくまでも、災害対策や事業継続マネジメントなどの分野における用語に関する文章ですので、他の分野では異なる定義や用法があるかもしれません。その点はご承知おきください。

用語の意味

「演習」とは、主に計画や対応手順の妥当性や準備状況の確認などを目的として実施されるものです。これに対して「訓練」とは、主に手順の理解や習熟度の向上を目的として実施されるものです。

もちろん、演習を行うことによって対応手順をより深く理解できるということもあります(特に、その手順に関する演習を初めて行う場合)。また訓練を行うことの副産物として、マニュアルなどの文書の間違いが見つかることもあります。このように、実際にはこれらの間には相互補完的な部分があります。

しかしながら、演習や訓練を企画、準備、実施する際には、これから行う演習(もしくは訓練)の主な目的は何なのか?ということを明確にして行う必要があります。これが明確でないままだと、演習や訓練を実施したあとの成果が分かりにくくなります。

演習に期待すべき成果は、計画やマニュアル、および様々な準備に関する間違い、更新漏れ、解決すべき課題、改善の余地などが明らかになることです。もし仮に、演習の途中で重大な問題が見つかって演習を中断せざるを得なくなったとしても、それは演習を行うことによって問題を発見できた結果なのですから、演習としては成果が得られたことになります(もっとも、それが演習しなくても分かるような初歩的な問題だったのであれば、単なる時間の空費です)。

一方、もしこれが訓練だったのならば、予定されていた訓練を全て実施できなかったのですから、訓練としてはうまくいかなかったということになります。このとき参加者の中に、演習としての成果を期待していた人と、訓練だと思って参加した人とが混在していたら、一部の方々は結果に不満を感じ、今後の演習や訓練に協力してくれなくなくなるかもしれません。

特に経営層の方々との間で、成果に関する認識がズレてしまったらたら致命的です。したがって、演習や訓練を実施する際には、どのような成果を期待するのかという点について、参加者の間で共通認識ができていることが非常に重要です。このような認識のズレを防ぐために、「演習」と「訓練」という 2 つの用語を適切に使い分けることが必要です。

国際規格における「演習」と「訓練」

日本で事業継続や危機管理などの分野で用いられる主な用語が定義されているのは、日本産業規格(注 2)のひとつである「JIS Q 22300 – 社会セキュリティ – 用語」です。この規格は国際規格「ISO 22300」をほぼ完全に和訳して作られたもので、この規格の中で演習や訓練に関する用語が次のように定義されています。

訓練(drill)
ある特定の技能を練習し、複数回の繰返しを伴うことが多い活動。

教育訓練(training)
知識、技能及び能力の、学習及び育成を促し、ある任務又は役割のパフォーマンスを改善するために策定された活動。

演習(exercise)
組織内で、パフォーマンスに関する教育訓練を実施し、評価し、練習し、改善するプロセス。

(出典:JIS Q 22300:2013)

まず訓練に関しては「訓練」と「教育訓練」の 2 つがありますが、いずれも前項で述べたとおり、主に習熟度の向上という観点で行われるものとして定義されています。

一方、「演習」については定義の中に「教育訓練」という言葉が含まれているため混乱を招きそうですが、注記として次のような記述があり、これを見ると主に妥当性の確認や検証、評価が主な目的であることが分かります(注 3)。

注記1 演習は、次のような目的のために利用することができる。
– 方針、計画、手順、教育訓練、装置又は組織間合意の妥当性確認
– 役割及び責任を担う要員の明確化並びにそれらの教育訓練
– 組織間の連携及びコミュニケーションの改善
– 資源の不足部分の特定
– 個人のパフォーマンスの改善、及び改善の機会の特定
– 臨機応変な対応を練習する統制された機会

(出典:JIS Q 22300:2013)

前述の通り、この定義は「ISO 22300」という国際規格に基づいています。つまり、これが世界各国からこの分野の専門家が集まって合意された定義ということになります。本稿の序盤の部分で「国際的なコンセンサスに基づいています」と述べたのはこのためです。

事業継続マネジメントにおける「演習」と「訓練」の位置付け

事業継続マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 22301」(およびその日本語訳である「JIS Q 22301」)の中で、訓練は人員に必要な力量を備えさせるためのものとして、項番 7.2 に記述されています。一方で演習については、「事業継続手順が事業継続目的に合致していることを確実にするため」に行うものとして項番 8.5 に記述されています。

下図は JIS Q 22301 に対する指針として作られた規格「JIS Q 22313」からの引用で、事業継続マネジメントに必要な 5 つの活動の関係を表したものです。この図の中で「事業継続手順の確立及び実施」が項番 8.4、「演習及び試験の実施」が項番 8.5 となっています。この中で事業継続計画(BCP)を文書化する作業は 8.4 の中で行われますので、文書化された BCP の内容を確認・検証するためのものとして演習が位置付けられていることが分かります。

(出典:JIS Q 22313:2014)

(参考)軍隊における「演習」と「訓練」

海上自衛隊の出身でおられる、(株)イージスクライシスマネジメント代表取締役の林祐氏が、軍隊における「演習」と「訓練」について、ご自身のブログで次のように書いておられます。表現は若干異なりますが、本稿で説明させていただいている定義や用法と概ね一致していると言えます。

軍隊では「訓練」は練度の向上を目的として行われます。
一方の「演習」が練度の向上を目指していないわけではないのですが、直接的な目的は「検証」です。

「訓練」は個人や部隊の練度の向上を目指していますので、その効果が最大限に上がるように様々な工夫がなされています。極めて初歩的・基礎的なレベルから高度に複雑なレベルへ段階を踏むのが普通です。

「演習」はその練度がどのレベルにあるのか、あるいは立案された計画に何か問題はないのか、その計画に従うとどういう結果になるのかを検証してみる場合などに行われるのが普通です。

(出典:専門コラム「指揮官の決断」:第 38 回「演習」と「訓練」
https://aegis-cms.co.jp/622

ちなみに林氏による下記の著書には、図上演習の手法が具体的に分かりやすく書かれていますので、ご一読をお勧めします。

林祐(2019)『知らないと損をする経営トップのための「図上演習」活用術』日本コンサルティング推進機構
https://www.amazon.co.jp/dp/4908617694

【注釈】

  1. http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/pdf/guideline03.pdf
  2. かつては日本工業規格と呼ばれていました。
  3. 私の推測ですが、恐らく ISO で規格の内容を検討する際に各国の委員から出された意見を取り込んだ結果、妥協の産物としてこのような定義になったのではないかと思います。ちなみに ISO 22300 より前に作られた英国国家規格(BS 規格)の中では、「exercise」は教育訓練的な内容を伴わない形で定義されています。
(BiBTeX)
author = "林 祐",
yomi = "Yu Hayashi",
title = "知らないと損をする経営トップのための「図上演習」活用術",
publisher = "日本コンサルティング推進機構",
year = 2019,

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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