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「想定外」とはどういうことか?

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巷で「想定外」という言葉が使われる場面が本当に増えたと思います。個人的な感覚としては特に 2011 年の東日本大震災以降、特に使われる頻度が増えたように感じています。しかも BCM や災害対策に関する仕事をしているので、一般の方々よりも「想定外」という言葉を耳にする機会は多いのではないかと思います。

しかしながら一方で、私自身は「想定外」という言葉を極力使わないようにしています。また、理由は後で述べますが、むやみに使うべきでない用語だと思っています。

そこで本稿では「想定外」という言葉についての問題意識を共有させていただきます。あくまでも私自身の個人的な考えですので、よろしかったら皆様もぜひ考えてみていただきたいと思います。

 

1. 「想定外」の意味もいろいろある

人が「想定外」という言葉を使っているのを聞いた時、ちょっと気をつけなければならないと思っています。というのは、どうも「想定外」という言葉の使い方が、人によって異なると思われるからです。

私が聞いた範囲での「想定外」は、だいたい次の 2 つのどちらかの意味で使われていると思います。

  • a) そういう事が起きるとは全く思っていなかった
  • b) そういう事が起きる可能性もあると思っていたが、そこまでは対策できないので検討対象から外した

(稀に、ご自分の中で上の a、b が混ざっている方もおられます。)

もちろん、どちらの用法が正しい(もしくは間違い)などと断じるつもりはありません。厄介なのは、上のような 2 通りの意味で使われているということと、相手がどちらの意味で使っているかが、前後の文脈を踏まえて考えないと分かりにくいことです。これはもちろん、私が「想定外」という言葉を使った時に、どちらの意味で受け止められるかが分からないということでもあります。

雑談ならば別に構わないのですが、ちょっと真剣な議論や仕事上の会話でお互いの用法がズレていると、誤解を招いたり議論がかみ合わなくなったりする可能性があります。

このような理由から、私自身は「想定外」という言葉を極力使わないようにしていますし、真面目な議論の中で相手が「想定外」という言葉を使ったら、上の a、b どちらの意味なのか確認するようにしています。

 

2. では事業継続マネジメント(BCM)ではどう考えるのか

ここから先は、私の個人的な考え方というよりは、標準的な方法論に基づく説明です(注)。

事業継続マネジメント(BCM)においては、「事業活動に必要な資源が使えなくなったらどうするか」を中心に考えます。資源とは例えば人材、設備や装置、建物、IT システム、情報、材料や部品、業務委託先などです。

例えばある建物に対して、「何らかの理由でこの建物が使えなくなったら、どのような方法で代替するか」を考えます。代替方法としては、「他の建物に移る」という方法もあるでしょうし、業務の内容によっては在宅勤務に切り替えるとか、その建物で行われていた業務を社外に委託するという方法も現実的かも知れません。

ここで、この建物が使えなくなる原因として、どのようなものが考えられるでしょうか?

地震、火災、洪水、停電、放火、テロ、飛行機の衝突、建物の欠陥、戦争…….実際に起こる可能性がどの程度かは別として、考えるだけなら無限にあり得ます。つまり「地震が起きたらどうするか」、「洪水が起きたらどうするか」、…….を考え始めたら、どこまで考えても終わりません。そして、もし「テロが起きたらどうするか」を考えていなかった企業がテロに遭遇したら、「想定外でした」ということになってしまいます。

一方で、事業活動に使われている資源は有限です。したがって「この建物が使えなくなったらどうするか」、「この設備が使えなくなったら…..」という検討には必ず終わりがあります。もちろん、会社中の全ての資源に対して検討するのは大変なので、検討対象を優先順位の高い事業活動に限定するなどの工夫は必要です。

そして、それらの「有限の資源」に対して網羅的に代替策を検討できれば、「まさか○○○が使えなくなるとは想定外でした」ということは起こりません。

つまり、BCM において資源を中心に代替策を検討するという考え方は、地震や火災などの原因を考えることに時間や労力を使いすぎず、かつ「想定外」になることを防ぐという意味でも有効だということになります。

 

2001 年に発生したニューヨーク同時多発テロ事件では、複数の企業(主に金融業)が事業を短期間で再開させました。当時 BCP という名称を使っていたかどうかは分かりませんが、オフィスが使えなくなった場合の代替策として、臨時オフィスや PC を確保するための準備がされていました。

恐らく彼らも「ビルに飛行機が突っ込んでくる」ことを想定していたのではなく、「ビルが使えなくなる」ことを想定して準備していたのだろうと思います。このような準備ができていれば、「まさか飛行機が突っ込んでくるとは想定外だった」というような言い訳をせずに済むでしょう。

 

3. (オマケ)原因事象型/結果事象型

日本では、前述のように「地震」、「火災」……などの原因から考えて事業継続計画(BCP)を作るのを「原因事象型」、資源から考えるのを「結果事象型」などと呼ぶ方が多いようです。

もし、これらの呼び方に合わせて言うならば、標準的な BCM の方法論は最初からもともと「結果事象型」だということになります。

BCP を作る際に「原因事象型」で考え始めると、前述の b のような意味での「想定外」が増える可能性が高くなるので、標準的な BCM の方法論のとおり「結果事象型」で取り組むのが合理的です。

 

ただし、災害などが発生した直後の対処手順(「初動対応」もしくは「インシデント対応」などと呼ばれます)の部分は、当然ながら事象ごとに異なりますので、この部分は事象に合わせて個別に作る必要があります。この点は区別していただければと思います。

(そのあたりは下記の書籍に詳しく書かせていただきました。)

 

【注釈】

  • 本稿で「標準的な方法論」とは、ISO 22301 に代表される国際規格や、世界で広く参照されている BCI Good Practice Guidelines で体系化されている方法論を指します。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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事業継続マネジメントにおける IT の継続性をどう考えるか

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多くの組織にとって、事業継続マネジメント(BCM)に取り組むうえで IT の継続性は重要なテーマのひとつだと思います。俗に「IT-BCP」などと呼ばれたりしていますが、IT が多くの組織にとって非常に重要な資源となっている現状において、IT システムが稼働停止しないように、もしくは停止した場合に短期間で稼働再開できるようにするための対策は、避けて通れない分野と言ってもいいでしょう。

そのようなニーズに対して、IT システムに関しては、冗長化やバックアップなど、トラブルや災害などによる稼働停止を予防したり、被害を軽減するためのテクノロジーや製品・サービスが豊富に提供されています。これは BCM の概念が形成される前から、「IT Disaster Recovery」、「fault tolerant」、「redundancy」などといったキーワードとともに開発が進められてきましたが、BCM の概念や方法論が体系化され、日本でも「BCP」という用語が普及してきたことに対応して、「IT-BCP」という言葉が使われるようになってきました(注 1)。

しかしながら、IT の継続性に関してどの程度の対策を講じるべきなのかを、どう決めればよいか分からないと思われる方もいらっしゃるかも知れません。

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一般的に、対策のために必要なコスト(または投資)と、その対策を行ったことによって稼働停止をどれだけ短く出来るかは、トレードオフの関係にあります。もちろんこれは IT に限った話ではなく、BCM においては全ての資源に対して当てはまります。

したがって、BCM の方法論から考えると、事業影響度分析(BIA)の結果から目標復旧時間を決め、それに間に合うような対策方法を選ぶべきだということになります。

このような考え方は、国際規格 ISO/IEC 27031(注 2)でも具体的に示されています。この規格は和訳されていないこともあって、日本ではあまり知られていないと思いますが、BCM の中で IT の継続性をどのようにマネジメントしていくべきかという観点で、様々な指針が示されています。

下の図は、ISO/IEC 27031 で示されている図のひとつですが、障害が発生してからユーザーがそのシステムを利用できるようになるまでの時間が製品・サービスの目標復旧時間(RTO)として示されているのに対して、障害発生から対応作業の開始までにかかる時間や、対応作業が完了してからユーザーが動作確認する時間を考慮して、ICT サービスの RTO を設定すべきであることが示されています。

(出所:ISO/IEC 27031:2011 の Figure A.1 に一部追記)

このような関係になることを踏まえ、BIA の結果から製品・サービスの RTO を決め、それに見合うように IT システムの RTO を決めたうえで、それに間に合うような対策方法を選ぶというのが本来の考え方です。

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しかし一方で、BCM に取り組まれる前から、既に IT 部門の方で何らかの対策が講じられている場合も少なくありません。

その場合には IT 部門と相談しながら、もし目標復旧時間に対して現在の対策方法が不足であれば、より短期間で稼働再開できるような対策を導入できないか、検討していただく必要があります。

逆に、現在の対策方法が過剰だったとしたらどうでしょうか?

例えば(少々極端な例ですが)3 日程度で稼働再開できれば十分なシステムが、ほぼノンストップで稼働継続できるような常時完全二重化で運用されていたとしたら、その対策方法は目標復旧時間に対して過剰(=お金をかけすぎ)ということになります。

もし運用コストがあまり問題にならないのであれば、今後のシステム更新時期までそのまま維持されてもいいかもしれませんが、運用コスト(作業の手間なども含みます)を削減したいような状況であれば、対策方法をダウングレードすることも選択肢に入るでしょう。実際にはダウングレードのためにかかる費用や手間との兼ね合いも含めて、IT 部門と一緒に慎重に検討する必要があります。

もちろん実際には、組織内で複数のシステムが稼働していて相互に依存関係があったり、ひとつのシステムが複数の製品・サービスに関与していたりしますので、これらの事情を考慮して総合的に評価・判断する必要があります。ぜひ IT 部門の方との間で、本稿のような考え方を共有した上で、十分相談し、協力関係を築きながら、組織全体として事業継続に関する対策コストの最適化を目指していただければと思います。

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余談ですが、巷でよく使われている「IT-BCP」という呼び方は正しくありませんので、お使いにならない方が良いと思います。この件については別の記事にしましたので、下記の記事をご参照いただければ幸いです。

弊社 Web サイト:「IT-BCP」という言い方は間違い https://office-src.com/archives/3298

【注釈】

  1. 多くの IT ベンダーがそのような用語を使って活発にセールスプロモーションを行っているという事情もあります。
  2. ISO/IEC 27031:2011 Information technology — Security techniques — Guidelines for information and communication technology readiness for business continuity

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

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合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「IT-BCP」という言い方は間違い

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事業継続マネジメント(BCM)に関する話のなかで、IT システムの災害対策などを指して、「IT-BCP」という言葉が使われることがあります。つまり「IT の BCP」という意味ですね。

ところが、この「IT-BCP」という言い方は正しくありませんので、お使いにならないことをお勧めします。これが正しくない理由は、基本的な用語の定義に照らし合わせれば明らかです。

以下、国際規格「ISO 22301」の 2019 年版、およびそれを和訳して作られた「JIS Q 22301」の 2020 年版を拠り所として説明します。本稿の中で「規格」とはこれらの 2 つの規格を指します。

まず、「IT-BCP」というのは「IT-Business Continuity Plan」の略ですから、「IT 事業継続計画」という意味になります。つまり「継続」の対象として「IT」と「事業」の 2 つが含まれています。IT に対する継続性のことを言いたいのであれば「事業」は邪魔であって、「IT-Continuity Plan」(IT 継続計画)と呼ぶ方が自然でしょう。

これだけでも「IT-BCP」という言い方が正しくないことの説明としては十分だと、個人的には思うのですが、中には「これは IT-BCP という言い方が《不自然》だと言っているのであって、《間違い》とは言い切れないのではないか?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんので、もうひとつ説明を加えます。

まず、「事業継続」という用語は規格で次のように定義されています。

事業継続
事業の中断・阻害を受けている間に、あらかじめ定められた範囲で、 許容できる時間枠内に、製品及びサービスを提供し続ける組織の実現能力

(JIS Q 22301:2020 より引用/下線は筆者)

そして、「製品及びサービス」については同規格の中で「組織によって、利害関係者に提供されるアウトプット又は結果」と定義されています。つまり組織内部の業務のために運用されている IT システムは、「製品及びサービス」には含まれないことになります(注 1)。

「製品及びサービス」に含まれない以上、事業継続の対象ではありませんので、「IT-BCP」という言い方はすべきでないのです(注 2)。

一方、規格では BCM において検討すべき資源(resources)について、次のように例示されています。つまり BCM においては、IT システムは資源のひとつとしてとらえるのが正しいということです。

  • 情報及びデータ
  • 建物、職場、その他の施設などの物理的インフラストラクチャー、及び関連するユーティリティ
  • 設備及び消耗品
  • 情報通信技術(ICT)システム
  • 交通手段及び輸送手段
  • 資金
  • パートナー及びサプライヤ

 

一方、IT の分野では昔から(注 3)「IT Disaster Recovery」(IT 災害復旧)、「Redundancy」(冗長性)などという用語が使われていました。また事業継続との関連では「IT continuity」(IT の継続性)という用語が使われることもあります。したがって、「IT-BCP」などという言い方はやめて、これらのいずれかを使われることをお勧めしたいと思います。

 

【注釈】

  1. クラウドサービスなど、IT サービス業の企業が顧客に対して提供しているような IT システムは「製品及びサービス」に含まれます。
  2. 本稿の説明は前述の規格に基づいていますので、筆者個人の主張ではなく、国際的に認められている標準的な考え方だとご理解いただければと思います。
  3. BCM という概念や用語が生まれる前から、これらの用語は普及していました。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

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書籍紹介『ISO 22301:2019 事業継続マネジメントシステム 要求事項の解説』(中島一郎・岡部紳一・渡辺研司)

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まず重要な前提として、この本が「ISO 22301 による認証取得のためだけの本ではない」という点は強調しておきたいと思います。

日本における非常に残念な誤解のひとつが、「マネジメントシステム規格は認証取得のためだけに使われるものだ」というような思い込みです。実際には、規格では国際的に合意された用語の定義や、取り組み方の枠組みなどが提供されており、認証取得するか否かにかかわらず、広く活用されるべきものです(実際に諸外国ではそのように活用されています)。

ところが日本では、前述のような誤解が根強く残っているために、認証取得を目指さない人や組織は規格を読まないし、規格に関連する参考書も読まない、という状況が続いています。

この問題については下の動画でも語っておりますので、お時間がありましたらご視聴いただければ幸いです(写真をクリックすると YouTube のサイトが開きます)。

さて、前置きが長くなりましたが、今回紹介させていただく本は、JIS(日本産業規格)のマネジメントシステム規格に合わせて、日本規格協会から出版されている一連の書籍群のひとつです。私自身、これ以外にリスクマネジメント(JIS Q 31000)および情報セキュリティ(JIS Q 27001)など、いくつかの書籍を持っていますが、いずれも規格の制定に関わった方々を著者に迎えて作られているので、これらの規格に関わる仕事をする人にとっては必読本となっています。

本稿で紹介させていただく本に関しても、3 名の著者はいずれも JIS Q 22301 素案作成委員会のメンバーであり(委員長は渡辺先生)、また JIS 規格の元となっている ISO 規格を制定するための委員会にも参加されているので、この規格のことを最も熟知されている方々と言えます。

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【書籍情報】

中島一郎・岡部紳一・渡辺研司(2021)『ISO 22301:2019 (JIS Q 22301:2020) 事業継続マネジメントシステム 要求事項の解説』日本規格協会

Amazon リンク

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本書はもともと ISO 22301 の 2012 年版に合わせて出版されていましたが、ISO 22301 が改訂されて 2019 年版に、これを元に制定された JIS Q 22301 も改訂されて 2020 年版となったことを踏まえて、新たに出版されました。

いま私の手元に新旧 2 冊が並んでいますが、本の厚みが概ね 3 割増くらいになっています(価格は約 4 割増)。

(左が旧版、右が新版)

本来、規格というものは、規格本文だけ読めば内容を正しく理解できるように書かれているべきだと思いますが、実際にはなかなか難しいものがあります。しかも、もともと英語で書かれている ISO 規格を JIS 化する際に、和訳によって理解しにくくなっている部分もあります(これは規格の翻訳の質が低いという意味ではなく、翻訳によって意味やニュアンスなどが伝わりにくい部分もあるので、意味が 100% 伝わる翻訳が不可能だという意味です)。

本書では、規格の開発に関わっていた著者らが、そのような部分を(ある程度の背景事情も含めて)丁寧に解説してくださっているので、本来この規格が何を求めているのかを理解する上で非常に有用です。

そして、「本来この規格が何を求めているのか」≒「効果的に事業継続マネジメントに取り組むためには何が必要か」という関係が成り立ちますので、BCMS の認証取得を目指すかどうかは関係なく、事業継続マネジメントに取り組む全ての方々にとって、本書は間違いなく役に立ちます。

また、第 4 章は「ISO 22301 についての Q&A」となっており、日本で多くの方々が抱いていると思われる 16 の疑問に対して、19 ページを割いて回答されています。これらも事業継続マネジメントに対する理解を深める上で大変有用だと思います。企業をはじめとして多くの皆様に活用していただきたい書籍です。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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BCMS 准審査員(Associate Auditor)の資格を取得しました

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御報告を失念しておりましたが、2021 年 5 月に BCMS 准審査員(Associate Auditor)の資格を取得しました。

BSI グループジャパン様の ISO 22301 審査員研修を受講させていただいて、受講後の修了試験に合格し、IRCA に Associate Auditor として登録されました

国内の BCMS 認証取得組織数がまだ 100 に満たない状況ですので、審査員として活動する機会はかなり限定的だと思われますが、これから認証取得を目指す組織に対しては、審査員としての視点も含めて助言をさせていただくことができます。

また、ISO 規格に基づく認証取得を目指さない場合でも、規格で示されている枠組みや方法論を利用することによって、より効果的に(楽に)事業継続マネジメントに取り組めるという面もあります。

今後は、様々な組織に対するコンサルティングの中で、審査員としてのノウハウも生かしていきたいと思います。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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BCM にはどこで手を抜けるか考えながら取り組みましょう

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。

このたび執筆させていただいた拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』では、できるだけ多様な読者の皆様にとって役立つ本にするために、できるだけ網羅的に細かく解説させていただきました。これは読者の皆様の立場から見ると、自分(または自社)にとって不要なことも、それなりに含まれているということです。

したがって、実際に BCM に取り組まれるときには、本書に書かれている個々の作業が自社にとって必要かどうか、そこまで細かくやる必要があるかどうか考えながら、取捨選択していただきたいと思っています。

しかし一方で、適切に取捨選択できるようになるには、ある程度の経験が必要なのも事実ですので、初めて BCM に取り組まれる方に「取捨選択していただきたい」というのも、われながら勝手な話だと思います。

そこで、まずは「本書の内容を全てそのとおりに実施する必要はない」という前提をご理解いただき、必要かどうかわからない部分はとりあえず飛ばして進めるくらいの気持ちで、手を抜きながら進めていただいてもいいと思います。そして、もしうまくいかない部分や、少し深堀りする必要があると思われた部分が見つかったら、その時に少し戻ってみればいいのです。

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。是非拙書もお読みいただければ幸いです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「はじめに」全文公開(「事業継続マネジメント」実践ガイド)

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先日出版された著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の「はじめに」(前書き)を全文公開させていただきます。ぜひ参考にしていただき、役に立つとお感じになられたらぜひご購入いただければ幸いです。


本書をお手にとっていただき、誠にありがとうございます。

本書のタイトルにある「事業継続マネジメント」(BCM)とは、事故や災害などの影響で事業活動が中断されてしまった場合に、どのような方法で事業再開・継続を果たしていくかを、平常時のうちに検討し、準備しておくための方法論です。また、実際に事業中断に陥ってしまったときに、事業再開・継続を実現するための方法を文書化した計画のことを「事業継続計画」(BCP)といいます。

筆者が本書を執筆している2021年4月においては、世界中で新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(世界規模での流行)が猛威を振るっており、いまだ収束の見通しは立っておりません。2020年初頭から日本でも感染者が増加し、多くの企業が規制や自粛などによる事業活動への制限や、顧客の大幅減少などの影響を受けながら、感染防止対策や事業継続、さらには企業の存続のために奔走しておられることと思います。

筆者が専門としている事業継続マネジメントの分野においても、2020年には、このような状況を踏まえて様々な議論がありました。事業継続のための活動をいかにパンデミックに対応させていくかというような観点もあれば、BCPはこのようなパンデミックには役に立たないのではないかといった極端な意見もありましたが、いずれにしてもパンデミックによって事業継続マネジメントの重要性が再認識されたことは疑いようがありません。

しかしながら、一方で、これまで事業継続に関する取組みも検討も進めてこなかったという企業が多いのも事実です。今このページを読んでくださっている方々の中にも、これまで「事業継続マネジメント」という言葉を知らなかった、あるいは何から始めればいいのかわからず手をつけられなかった、という方が少なくないのではないでしょうか。

そのような状況であっても、まず本書をお手に取っていただき、このページを開いて下さったということは(たとえ書店での立読みだったとしても)、あなたが御社の事業継続に関して既に何らかの問題意識を感じておられるということかと思います。

日本企業の、特に中小企業の多くが未だにそのような問題意識を抱いていない現状において、既にこのページを開いておられることは、非常に大きなアドバンテージです。ぜひ、その問題意識を放置せずに、実践への1歩を今すぐ踏み出していただきたいと思います。

本書は、事業継続マネジメントの実務に20年近く携わってきた筆者自身が持つノウハウを、特に中小企業の皆様に自力で取り組んでいただけるように書籍化したものです。しかもそのノウハウは、筆者の我流ではなく、世界的に広く用いられている標準的な方法論に基づいています。

この方法論は、もちろん日本企業にとっても有用であり、正しく理解すれば、特に中小企業の事業継続のために確実にプラスになるノウハウです。しかしながら、参考書などの情報の多くが英語で書かれている等の理由から、日本企業にはあまり普及していないのが現状です。

筆者は、2005年にこの分野のコンサルティングに従事するようになって以来、事業継続マネジメントに関する本家本元の1つである、BCI(The Business Continuity Institute)が発行するガイドラインや、海外のBCI会員および関係者との間での議論から、実践的な事業継続マネジメントのノウハウを学び、また多くのコンサルティング案件での実践を通して、この方法論を日本企業に適用するための勘どころやコツを習得してきました。

本書の執筆にあたっては、そのようなノウハウや経験を、書籍という媒体で表現できる限り、惜しみなく投入しています。その結果として、それなりに分量の多い本になりました。特に第3章〜第4章あたりは文字数が多くなっており、読みにくいと感じられる方も少なくないのではないかと思います。言い訳がましいことを言うようで恐縮ですが、書籍という媒体では質問をお受けすることができないため、多くの方から質問されそうなことをなるべく先回りして説明するようにしています。したがって、自分に関係なさそうな部分については、適宜読み飛ばしていただければと思います。

このような書籍を世に出してしまうと、競合相手となるコンサルタントにそのノウハウを模倣されてしまうのではないかと思われるかもしれませんが、筆者としてはむしろ著作権など本書に関する知的財産権を侵害しない範囲であれば、どんどん模倣していただきたいとさえ思っています。

総務省統計局が発行している『日本の統計2020』によると、平成28年時点での国内企業数は約386万社です(https://www.stat.go.jp/data/nihon/pdf/20nihon.pdf アクセス日:2021年4月29日)。これほど多くの日本企業に事業継続マネジメントを普及させていくためには、実践的なノウハウを持つコンサルタントがもっと増えた方がよいでしょう。

筆者としては、そのくらいの想いで本書を執筆しておりますので、企業で事業継続マネジメントに取り組む皆様におかれましては、ぜひ本書を足がかりとして、御社の事業継続力を維持向上させるための活動を実践していただきたいと思います。

本書は7つの章で構成されていますが、第2章から第7章までで事業継続マネジメントの活動全体を網羅するように執筆しました。これから初めて事業継続マネジメントに取り組まれる方々のために、各章に含まれている項目は、実際に事業継続マネジメントに取り組まれる際に実施される順序を意識して並べてあります。しかしながら、既に取り組みを進めておられる方々であれば、必ずしも最初から最後まで順序どおりに通読されずに、目次を見て気になった項目をピックアップして読んでいただいても、役に立てていただけるのではないかと思います。

一方で、第1章には、事業継続マネジメントの活動全体にかかわる基本的な考え方をまとめました。こちらに関しては、最初にひととおり目を通されることをおすすめします。多くの日本企業は、これらの考え方を知らないために、事業継続マネジメントへの取組みに躊躇されていたり、取り組み始めてから大変な苦労をされたりしています。したがって先にこれらを知るだけでも、今後の取り組みがかなり楽になると思います。

今本書を読んでくださっている皆様のお立場は、企業の経営者から事業継続や災害対策などのご担当者、コンサルタント、さらには災害や危機管理などに関する研究者の方々など様々かと存じますが、どのようなお立場の方々に対しても、本書を通して何かしら新たな知識やヒントをお伝えできることができ、日本企業における事業継続マネジメントの普及に少しでも寄与できれば幸いです。


(Web サイトへの掲載に合わせて、文字種(全角/半角)を一部修正しました。)

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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書籍出版のご報告> 『「事業継続マネジメント」実践ガイド』

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このたび、セルバ出版様より著書を出版させていただきましたので、ご報告します。

『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』

事業継続マネジメント(BCM)の実践的なノウハウを、できるだけ網羅的に詳しく書かせていただきました。企業などで BCM に取り組まれている方や、この分野でコンサルタントや BCMS 審査員などといった形で活動されている皆様に、ぜひご活用いただければと思います。

1,980 円(消費税込)です。

ちなみに目次は以下のようになっております。

第1章 中小企業にこそ必要な「事業継続」の考え方

– 「事業継続計画(BCP)は中小企業には難しい」というのは誤解
– 最初から継続的なマネジメント活動として取り組もう
– BCPを作ることには極力手間をかけずに済ませよう
– 「防災」と BCM との関係を整理しておこう
– 必ずしも「できるだけ早く復旧させる」ことが BCM の目的ではない
– 御社における災害のリスクを総合的に把握しておこう
– 事業継続のための活動を普段の商売に活かそう
– 非営利組織はどのように事業継続に取り組むべきか
– 他者の力も借りて合理的な事業継続を実現しよう
– どこで手を抜けるか考えながら取り組もう

第2章 まず御社の事業継続の基礎固めをしよう

– 事業継続のための「基礎固め」のために何をすべきか
– 顧客やサプライヤーなどとの関係を大まかに整理しよう
– 資金繰りをザックリ試算してみよう
– 御社が事業継続マネジメントに取り組む目的を文章にしてみよう
– 事業継続マネジメントの適用範囲を決めよう
– 事業継続マネジメントの大まかな年間計画をつくろう

第3章 事業継続における優先順位を整理しよう

– どの製品・サービスを優先的に復旧すべきかを考えておこう
– 復旧を後回しにすべき製品・サービスについてどうするか考えておこう
– 災害が発生してから復旧までの時間を「目標」として決めよう
– 最悪の事態を想定すべきか?

第4章 御社の「事業継続上の弱点」を見極めよう

– この章での分析作業の流れ
– 製品・サービスを顧客に届けるためのプロセスを整理しよう
– 必要な資源を把握しよう
– 事業中断リスクが集中している資源を把握しよう
– 資源が使えなくなった場合のリスクを評価しよう
– サプライチェーンにおけるリスクをどのように評価するか

第5章 弱点をカバーする方策を検討しよう

– 「元に戻す」以外の方策を考えてみよう
– 自社にとって現実的・合理的な方策を見極めよう
– 普段の仕事の見直しが事業継続につながらないか考えよう

第6章 検討結果を「事業継続計画」(BCP)にまとめよう

– BCP に関する文書構成を考えておこう
– BCP に最低限これだけは書こう
– どのような体制で緊急事態に対応するか決めておこう
– 緊急事態における法的要件を確認しておこう
– BCP の雛形を有効に活用しよう
– どこまで詳しく BCP に書く必要があるか見極めよう
– BCP は「災害が発生した直後に見直す」前提でつくろう
– 作成した BCP を社内に周知しよう

第7章 演習などを通して BCP を改善しよう

– 自社にどのような演習が必要なのか検討しよう
– シンプルな方法で「机上演習」を実施しよう
– 演習の結果は必ず記録しよう
– 演習結果を BCP の改善に活用しよう
– 他社での事例なども改善に活かそう
– 規格やガイドラインなども参考にしよう

 

多くの皆様にお役立ていただければ幸いです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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BCI 日本支部 2020 年度第 6 回定例会を開催しました(実は第 5 回も…)

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去る 3 月 4 日に、私が事務局を務めております BCI 日本支部の、今年度第 6 回の定例会を開催しましたが、その開催報告が BCI の Web サイトに掲載されました。

実は 1 月 28 日に第 5 回の定例会も開催しておりましたが、こちらで報告するのを忘れておりました。

第 5、6 回の定例会では、BCI の Good Practice Guidelines 2018 年版の「Analysis」というセクションの内容を、2 回に分けて解説しました。

この「Analysis」という段階には事業影響度分析(BIA)とリスク・脅威のアセスメントが含まれていますが、第 5 回では「Analysis」の全体構成と、Initial BIA および Product and Service BIA の進め方を、第 6 回では Process BIA、Activity BIA、および Risk and Thread Assessment の進め方を解説しています。

開催報告はいずれも BCI の Web サイトに掲載されています。当日の説明に使用したスライドと、定例会の録画(動画)も見られるようになっていますので、ご興味がありましたら下記 URL にアクセスしていただければと思います。

第 5 回: https://www.thebci.org/news/bci-2020-5.html

第 6 回: https://www.thebci.org/news/bci-2020-6.html

(動画にアクセスするためには氏名とメールアドレスを入力する必要がありますが、BCI 会員でなくても視聴可能です。)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> 12 年間にわたって続けられている BCI のサプライチェーン・レジリエンス調査

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 138 回:12 年間にわたって続けられている BCI のサプライチェーン・レジリエンス調査
BCI / Supply Chain Resilience Report 2021

BCM の専門家や実務者による非営利団体である BCI が毎年発表している調査報告書の 2021 年版です。報告書そのものは次の URL からダウンロードできます。
https://www.thebci.org/resource/bci-supply-chain-resilience-report-2021.html

本報告書では 72 ページにわたって、様々な観点からの調査結果や分析、解説が掲載されていますが、連載記事では特に BCM の実務に関わりの深い部分として、企業がサプライヤーの BCM の状況をどのように確認しようとしているか、という部分を中心に紹介しています。

調査結果によると、サプライヤーが単に BCP を作っているかどうかよりも、演習を実施しているかどうか、BCM としての活動が行われているか、規格などに準拠しているかどうかが重視されているようです。

日本企業を対象とした調査の例としては、MS&AD インターリスク総研による『第8回 事業継続マネジメント(BCM)に関する日本企業の実態調査 報告書』がありますが、両者を比べると日本企業のほうが、サプライヤーに対する働きかけや確認に関して、あまり積極的でないという印象を受けます。

 

連載記事は下記リンクからお読みいただければ幸いです。
http://office-src.biz/3vwZ1v6

 

 

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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