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オンラインセミナー「事業継続計画(BCP)への取り組み方と調達・購買部門の役割」で講演させていただきました(日本サプライマネジメント協会主催)

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昨日は特定非営利活動法人日本サプライマネジメント協会(ISM-Japan)主催のオンラインセミナーにて、「事業継続計画(BCP)への取り組み方と調達・購買部門の役割」というタイトルで講演をさせていただきました。

当日は企業の調達・購買部門の方々を中心に多くの皆様にご参加いただきました。貴重な機会を下さいました日本サプライマネジメント協会様に御礼申し上げます。

セミナーの概要は下記 URL に掲載されております。
https://ism202206.peatix.com/

講演では事業継続マネジメント(BCM)に関して概略的な説明をさせていただいた上で、BCM の活動において調達・購買部門の方々にどのような役割を担っていただきたいかを、私の個人的な期待も込めて説明させていただきました。

私見ですが、調達・購買部門の皆様には次のような方法で BCM に関わっていただきたいと考えています。

  • 従来から行われている、サプライヤーに関するリスクマネジメント活動の中に、事業継続の観点を加える。
  • 様々な方法を使って、サプライヤーがどのように BCM に取り組んでいるかを把握する。
  • 事業継続戦略の検討において、事業継続以外の観点(コスト、品質、商品価値など)がバランス良く考慮されるよう、情報やアドバイスを提供する。
  • 演習の場面設定やシナリオを作成する際に、それらがより具体的かつ現実的な内容になるよう、サプライヤーや業務委託先に関して具体的な情報や想定を提供する。

講演の後に活発な質疑応答があり、私自身にとっても調達・購買部門の方々の問題意識を知る貴重な機会となりました。

BCM の活動には経営層のリーダーシップや積極的な関与だけでなく、様々な部門の方々の協力が不可欠ですし、様々な部門の日常教務の中に事業継続に関する活動が組み込まれることによって BCM がその企業に定着していくという面もあります。今後も様々な部門の方々と BCM に関する対話や議論をする機会を増やしていければと思います。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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YouTube: CBCI 資格認定トレーニングコースをお勧めする理由

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YouTube「事業継続マネジメントについて語りつくすチャンネル」に動画を投稿させていただきました。

第 19 回:CBCI 資格認定トレーニングコースをお勧めする理由

今回は、私自身が講師を務めさせていただいております「CBCI 資格認定トレーニングコース」(研修)の受講をお勧めする理由について語っております。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

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BCI 公認 CBCI 研修の講師を担当させていただくことになりました

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このたび、シンガポールの BCP Asia 社が開催している「The CBCI Certification Course」にて、弊社代表の田代が講師を担当させていただくことになりました。

これは事業継続マネジメント(BCM)の実務者として必須の知識や方法論を体系的に学べるコースで、世界中で BCM 実務者の多くがこのコースを受講し、「CBCI」という資格を取得しています。

初回の研修は 2022 年 7 月 4 日(月)から 7 日(木)の 4 日間で、オンラインで開催されますので、どこにいても受講可能です。

テキストは英語ですが、研修は全て日本語で行われます。BCI 公認の CBCI 研修が日本語で行われるのは世界初となります。

研修の内容は BCI の「Good Practice Guidelines」2018 年版に基づいており、ISO 22301 とも親和性の高い、世界標準の BCM を学ぶことができます。

本研修コースについて詳しくは、BCP Asia 社の Web サイト(下記 URL)をご参照ください。お申し込みも同サイトからお願いいたします。

BCP Asia 社 Web サイト: https://bcpasia.com/training/cbci-japan/

BCP Asia 社は、2008 年にこのコースに関するアジア太平洋地域で最初の公認トレーニングプロバイダーとなって以来、60 回以上の研修を実施し、1,500 人以上の専門家を育成してきた実績のある会社です。

本研修コースに関してご質問などありましたら、弊社 Web サイトの「お問い合わせ・ご連絡」フォームからご連絡いただければ、対応させていただきます。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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日本リスクコミュニケーション協会の認定講座で講師を務めることになりました

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一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(以下 RCIJ)は、「リスクコミュニケーションのエキスパート」の育成・輩出を目指して認定資格講座を運営していますが、2022 年から認定講座を大幅刷新するにあたり、秋に開講する「認定 RC アドバイザー」講座で、弊社代表の田代が講師を務めさせていただくことになりました。

RCIJ からのプレスリリースは次の通りです。

 

役員の不適任な言動、SNS炎上などのリスクに効果的な予防対策とレピュテーションコントロールを人材育成で実現

〜メルカリ執行役員ら新たに3名の講師を迎え、認定講座を大幅刷新〜

プレスリリース URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000061037.html

 

田代は秋に開講する「認定 RC アドバイザー」講座にて次の講義を担当させていただく予定です。

担当講座: 「BCM の実務とリスクコミュニケーションへの展開」
講座内容: BCMの範疇で行われるべき幅広い活動の中から、短期的に実施すべき業務と中長期的に必要となる施策について学び、BCMによる事業継続力の強化、信頼の獲得、レピュテーション向上のスキルを習得する

BCM に関する一般的な参考書やセミナーなどでは、リスクコミニュケーションのために BCM がどのように役立つのか、というような部分があまり説明されていないように思います。本講座では、BCM に関する概念的な講義にとどまらず、BCM の活動をリスクコミュニケーションに活かしていくための実践的なアプローチも含めて、説明をさせていただく予定です。

よそではなかなか聞けない内容の講義になると思います。

詳細が決まりましたら、あらためてお知らせをさせていただきます。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

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YouTube: 今後の情報発信について/いかに BCM で手を抜くか

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YouTube「事業継続マネジメントについて語りつくすチャンネル」に、久しぶりに動画を投稿させていただきました。

第 17 回:今後の情報発信について/いかに BCM で手を抜くか

前回の動画から半年近く間があいてしまいましたが、今回は、事業継続マネジメントの実務でいかに手抜きをするか、というテーマで語っております。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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芝浦工業大学大学院にて BCM に関する特別講義をさせていただきました

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2021 年 12 月 15 日(水)および 22 日(水)の 2 回にわたって、芝浦工業大学大学院にて BCM に関する特別講義を担当させていただきました。

対象は理工学研究科システム理工学専攻の方々で、留学生もいらっしゃることから全て英語での講義となりました。

Zoom での講義でしたので、出席された学生の皆様の反応はあまり分かりませんでしたが、課題(ショートプレゼンテーション)にも積極的に取り組んでいただけました。

学生の皆様にとって専門外の内容でしたので、難しい部分もあったとは思いますが、皆様の今後の研究や卒業後の活動において、何らかのヒントになればと思っております。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

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「想定外」とはどういうことか?

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巷で「想定外」という言葉が使われる場面が本当に増えたと思います。個人的な感覚としては特に 2011 年の東日本大震災以降、特に使われる頻度が増えたように感じています。しかも BCM や災害対策に関する仕事をしているので、一般の方々よりも「想定外」という言葉を耳にする機会は多いのではないかと思います。

しかしながら一方で、私自身は「想定外」という言葉を極力使わないようにしています。また、理由は後で述べますが、むやみに使うべきでない用語だと思っています。

そこで本稿では「想定外」という言葉についての問題意識を共有させていただきます。あくまでも私自身の個人的な考えですので、よろしかったら皆様もぜひ考えてみていただきたいと思います。

 

1. 「想定外」の意味もいろいろある

人が「想定外」という言葉を使っているのを聞いた時、ちょっと気をつけなければならないと思っています。というのは、どうも「想定外」という言葉の使い方が、人によって異なると思われるからです。

私が聞いた範囲での「想定外」は、だいたい次の 2 つのどちらかの意味で使われていると思います。

  • a) そういう事が起きるとは全く思っていなかった
  • b) そういう事が起きる可能性もあると思っていたが、そこまでは対策できないので検討対象から外した

(稀に、ご自分の中で上の a、b が混ざっている方もおられます。)

もちろん、どちらの用法が正しい(もしくは間違い)などと断じるつもりはありません。厄介なのは、上のような 2 通りの意味で使われているということと、相手がどちらの意味で使っているかが、前後の文脈を踏まえて考えないと分かりにくいことです。これはもちろん、私が「想定外」という言葉を使った時に、どちらの意味で受け止められるかが分からないということでもあります。

雑談ならば別に構わないのですが、ちょっと真剣な議論や仕事上の会話でお互いの用法がズレていると、誤解を招いたり議論がかみ合わなくなったりする可能性があります。

このような理由から、私自身は「想定外」という言葉を極力使わないようにしていますし、真面目な議論の中で相手が「想定外」という言葉を使ったら、上の a、b どちらの意味なのか確認するようにしています。

 

2. では事業継続マネジメント(BCM)ではどう考えるのか

ここから先は、私の個人的な考え方というよりは、標準的な方法論に基づく説明です(注)。

事業継続マネジメント(BCM)においては、「事業活動に必要な資源が使えなくなったらどうするか」を中心に考えます。資源とは例えば人材、設備や装置、建物、IT システム、情報、材料や部品、業務委託先などです。

例えばある建物に対して、「何らかの理由でこの建物が使えなくなったら、どのような方法で代替するか」を考えます。代替方法としては、「他の建物に移る」という方法もあるでしょうし、業務の内容によっては在宅勤務に切り替えるとか、その建物で行われていた業務を社外に委託するという方法も現実的かも知れません。

ここで、この建物が使えなくなる原因として、どのようなものが考えられるでしょうか?

地震、火災、洪水、停電、放火、テロ、飛行機の衝突、建物の欠陥、戦争…….実際に起こる可能性がどの程度かは別として、考えるだけなら無限にあり得ます。つまり「地震が起きたらどうするか」、「洪水が起きたらどうするか」、…….を考え始めたら、どこまで考えても終わりません。そして、もし「テロが起きたらどうするか」を考えていなかった企業がテロに遭遇したら、「想定外でした」ということになってしまいます。

一方で、事業活動に使われている資源は有限です。したがって「この建物が使えなくなったらどうするか」、「この設備が使えなくなったら…..」という検討には必ず終わりがあります。もちろん、会社中の全ての資源に対して検討するのは大変なので、検討対象を優先順位の高い事業活動に限定するなどの工夫は必要です。

そして、それらの「有限の資源」に対して網羅的に代替策を検討できれば、「まさか○○○が使えなくなるとは想定外でした」ということは起こりません。

つまり、BCM において資源を中心に代替策を検討するという考え方は、地震や火災などの原因を考えることに時間や労力を使いすぎず、かつ「想定外」になることを防ぐという意味でも有効だということになります。

 

2001 年に発生したニューヨーク同時多発テロ事件では、複数の企業(主に金融業)が事業を短期間で再開させました。当時 BCP という名称を使っていたかどうかは分かりませんが、オフィスが使えなくなった場合の代替策として、臨時オフィスや PC を確保するための準備がされていました。

恐らく彼らも「ビルに飛行機が突っ込んでくる」ことを想定していたのではなく、「ビルが使えなくなる」ことを想定して準備していたのだろうと思います。このような準備ができていれば、「まさか飛行機が突っ込んでくるとは想定外だった」というような言い訳をせずに済むでしょう。

 

3. (オマケ)原因事象型/結果事象型

日本では、前述のように「地震」、「火災」……などの原因から考えて事業継続計画(BCP)を作るのを「原因事象型」、資源から考えるのを「結果事象型」などと呼ぶ方が多いようです。

もし、これらの呼び方に合わせて言うならば、標準的な BCM の方法論は最初からもともと「結果事象型」だということになります。

BCP を作る際に「原因事象型」で考え始めると、前述の b のような意味での「想定外」が増える可能性が高くなるので、標準的な BCM の方法論のとおり「結果事象型」で取り組むのが合理的です。

 

ただし、災害などが発生した直後の対処手順(「初動対応」もしくは「インシデント対応」などと呼ばれます)の部分は、当然ながら事象ごとに異なりますので、この部分は事象に合わせて個別に作る必要があります。この点は区別していただければと思います。

(そのあたりは下記の書籍に詳しく書かせていただきました。)

 

【注釈】

  • 本稿で「標準的な方法論」とは、ISO 22301 に代表される国際規格や、世界で広く参照されている BCI Good Practice Guidelines で体系化されている方法論を指します。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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事業継続マネジメントにおける IT の継続性をどう考えるか

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多くの組織にとって、事業継続マネジメント(BCM)に取り組むうえで IT の継続性は重要なテーマのひとつだと思います。俗に「IT-BCP」などと呼ばれたりしていますが、IT が多くの組織にとって非常に重要な資源となっている現状において、IT システムが稼働停止しないように、もしくは停止した場合に短期間で稼働再開できるようにするための対策は、避けて通れない分野と言ってもいいでしょう。

そのようなニーズに対して、IT システムに関しては、冗長化やバックアップなど、トラブルや災害などによる稼働停止を予防したり、被害を軽減するためのテクノロジーや製品・サービスが豊富に提供されています。これは BCM の概念が形成される前から、「IT Disaster Recovery」、「fault tolerant」、「redundancy」などといったキーワードとともに開発が進められてきましたが、BCM の概念や方法論が体系化され、日本でも「BCP」という用語が普及してきたことに対応して、「IT-BCP」という言葉が使われるようになってきました(注 1)。

しかしながら、IT の継続性に関してどの程度の対策を講じるべきなのかを、どう決めればよいか分からないと思われる方もいらっしゃるかも知れません。

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一般的に、対策のために必要なコスト(または投資)と、その対策を行ったことによって稼働停止をどれだけ短く出来るかは、トレードオフの関係にあります。もちろんこれは IT に限った話ではなく、BCM においては全ての資源に対して当てはまります。

したがって、BCM の方法論から考えると、事業影響度分析(BIA)の結果から目標復旧時間を決め、それに間に合うような対策方法を選ぶべきだということになります。

このような考え方は、国際規格 ISO/IEC 27031(注 2)でも具体的に示されています。この規格は和訳されていないこともあって、日本ではあまり知られていないと思いますが、BCM の中で IT の継続性をどのようにマネジメントしていくべきかという観点で、様々な指針が示されています。

下の図は、ISO/IEC 27031 で示されている図のひとつですが、障害が発生してからユーザーがそのシステムを利用できるようになるまでの時間が製品・サービスの目標復旧時間(RTO)として示されているのに対して、障害発生から対応作業の開始までにかかる時間や、対応作業が完了してからユーザーが動作確認する時間を考慮して、ICT サービスの RTO を設定すべきであることが示されています。

(出所:ISO/IEC 27031:2011 の Figure A.1 に一部追記)

このような関係になることを踏まえ、BIA の結果から製品・サービスの RTO を決め、それに見合うように IT システムの RTO を決めたうえで、それに間に合うような対策方法を選ぶというのが本来の考え方です。

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しかし一方で、BCM に取り組まれる前から、既に IT 部門の方で何らかの対策が講じられている場合も少なくありません。

その場合には IT 部門と相談しながら、もし目標復旧時間に対して現在の対策方法が不足であれば、より短期間で稼働再開できるような対策を導入できないか、検討していただく必要があります。

逆に、現在の対策方法が過剰だったとしたらどうでしょうか?

例えば(少々極端な例ですが)3 日程度で稼働再開できれば十分なシステムが、ほぼノンストップで稼働継続できるような常時完全二重化で運用されていたとしたら、その対策方法は目標復旧時間に対して過剰(=お金をかけすぎ)ということになります。

もし運用コストがあまり問題にならないのであれば、今後のシステム更新時期までそのまま維持されてもいいかもしれませんが、運用コスト(作業の手間なども含みます)を削減したいような状況であれば、対策方法をダウングレードすることも選択肢に入るでしょう。実際にはダウングレードのためにかかる費用や手間との兼ね合いも含めて、IT 部門と一緒に慎重に検討する必要があります。

もちろん実際には、組織内で複数のシステムが稼働していて相互に依存関係があったり、ひとつのシステムが複数の製品・サービスに関与していたりしますので、これらの事情を考慮して総合的に評価・判断する必要があります。ぜひ IT 部門の方との間で、本稿のような考え方を共有した上で、十分相談し、協力関係を築きながら、組織全体として事業継続に関する対策コストの最適化を目指していただければと思います。

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余談ですが、巷でよく使われている「IT-BCP」という呼び方は正しくありませんので、お使いにならない方が良いと思います。この件については別の記事にしましたので、下記の記事をご参照いただければ幸いです。

弊社 Web サイト:「IT-BCP」という言い方は間違い https://office-src.com/archives/3298

【注釈】

  1. 多くの IT ベンダーがそのような用語を使って活発にセールスプロモーションを行っているという事情もあります。
  2. ISO/IEC 27031:2011 Information technology — Security techniques — Guidelines for information and communication technology readiness for business continuity

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「IT-BCP」という言い方は間違い

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事業継続マネジメント(BCM)に関する話のなかで、IT システムの災害対策などを指して、「IT-BCP」という言葉が使われることがあります。つまり「IT の BCP」という意味ですね。

ところが、この「IT-BCP」という言い方は正しくありませんので、お使いにならないことをお勧めします。これが正しくない理由は、基本的な用語の定義に照らし合わせれば明らかです。

以下、国際規格「ISO 22301」の 2019 年版、およびそれを和訳して作られた「JIS Q 22301」の 2020 年版を拠り所として説明します。本稿の中で「規格」とはこれらの 2 つの規格を指します。

まず、「IT-BCP」というのは「IT-Business Continuity Plan」の略ですから、「IT 事業継続計画」という意味になります。つまり「継続」の対象として「IT」と「事業」の 2 つが含まれています。IT に対する継続性のことを言いたいのであれば「事業」は邪魔であって、「IT-Continuity Plan」(IT 継続計画)と呼ぶ方が自然でしょう。

これだけでも「IT-BCP」という言い方が正しくないことの説明としては十分だと、個人的には思うのですが、中には「これは IT-BCP という言い方が《不自然》だと言っているのであって、《間違い》とは言い切れないのではないか?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんので、もうひとつ説明を加えます。

まず、「事業継続」という用語は規格で次のように定義されています。

事業継続
事業の中断・阻害を受けている間に、あらかじめ定められた範囲で、 許容できる時間枠内に、製品及びサービスを提供し続ける組織の実現能力

(JIS Q 22301:2020 より引用/下線は筆者)

そして、「製品及びサービス」については同規格の中で「組織によって、利害関係者に提供されるアウトプット又は結果」と定義されています。つまり組織内部の業務のために運用されている IT システムは、「製品及びサービス」には含まれないことになります(注 1)。

「製品及びサービス」に含まれない以上、事業継続の対象ではありませんので、「IT-BCP」という言い方はすべきでないのです(注 2)。

一方、規格では BCM において検討すべき資源(resources)について、次のように例示されています。つまり BCM においては、IT システムは資源のひとつとしてとらえるのが正しいということです。

  • 情報及びデータ
  • 建物、職場、その他の施設などの物理的インフラストラクチャー、及び関連するユーティリティ
  • 設備及び消耗品
  • 情報通信技術(ICT)システム
  • 交通手段及び輸送手段
  • 資金
  • パートナー及びサプライヤ

 

一方、IT の分野では昔から(注 3)「IT Disaster Recovery」(IT 災害復旧)、「Redundancy」(冗長性)などという用語が使われていました。また事業継続との関連では「IT continuity」(IT の継続性)という用語が使われることもあります。したがって、「IT-BCP」などという言い方はやめて、これらのいずれかを使われることをお勧めしたいと思います。

 

【注釈】

  1. クラウドサービスなど、IT サービス業の企業が顧客に対して提供しているような IT システムは「製品及びサービス」に含まれます。
  2. 本稿の説明は前述の規格に基づいていますので、筆者個人の主張ではなく、国際的に認められている標準的な考え方だとご理解いただければと思います。
  3. BCM という概念や用語が生まれる前から、これらの用語は普及していました。

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書籍紹介『ISO 22301:2019 事業継続マネジメントシステム 要求事項の解説』(中島一郎・岡部紳一・渡辺研司)

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まず重要な前提として、この本が「ISO 22301 による認証取得のためだけの本ではない」という点は強調しておきたいと思います。

日本における非常に残念な誤解のひとつが、「マネジメントシステム規格は認証取得のためだけに使われるものだ」というような思い込みです。実際には、規格では国際的に合意された用語の定義や、取り組み方の枠組みなどが提供されており、認証取得するか否かにかかわらず、広く活用されるべきものです(実際に諸外国ではそのように活用されています)。

ところが日本では、前述のような誤解が根強く残っているために、認証取得を目指さない人や組織は規格を読まないし、規格に関連する参考書も読まない、という状況が続いています。

この問題については下の動画でも語っておりますので、お時間がありましたらご視聴いただければ幸いです(写真をクリックすると YouTube のサイトが開きます)。

さて、前置きが長くなりましたが、今回紹介させていただく本は、JIS(日本産業規格)のマネジメントシステム規格に合わせて、日本規格協会から出版されている一連の書籍群のひとつです。私自身、これ以外にリスクマネジメント(JIS Q 31000)および情報セキュリティ(JIS Q 27001)など、いくつかの書籍を持っていますが、いずれも規格の制定に関わった方々を著者に迎えて作られているので、これらの規格に関わる仕事をする人にとっては必読本となっています。

本稿で紹介させていただく本に関しても、3 名の著者はいずれも JIS Q 22301 素案作成委員会のメンバーであり(委員長は渡辺先生)、また JIS 規格の元となっている ISO 規格を制定するための委員会にも参加されているので、この規格のことを最も熟知されている方々と言えます。

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【書籍情報】

中島一郎・岡部紳一・渡辺研司(2021)『ISO 22301:2019 (JIS Q 22301:2020) 事業継続マネジメントシステム 要求事項の解説』日本規格協会

Amazon リンク

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本書はもともと ISO 22301 の 2012 年版に合わせて出版されていましたが、ISO 22301 が改訂されて 2019 年版に、これを元に制定された JIS Q 22301 も改訂されて 2020 年版となったことを踏まえて、新たに出版されました。

いま私の手元に新旧 2 冊が並んでいますが、本の厚みが概ね 3 割増くらいになっています(価格は約 4 割増)。

(左が旧版、右が新版)

本来、規格というものは、規格本文だけ読めば内容を正しく理解できるように書かれているべきだと思いますが、実際にはなかなか難しいものがあります。しかも、もともと英語で書かれている ISO 規格を JIS 化する際に、和訳によって理解しにくくなっている部分もあります(これは規格の翻訳の質が低いという意味ではなく、翻訳によって意味やニュアンスなどが伝わりにくい部分もあるので、意味が 100% 伝わる翻訳が不可能だという意味です)。

本書では、規格の開発に関わっていた著者らが、そのような部分を(ある程度の背景事情も含めて)丁寧に解説してくださっているので、本来この規格が何を求めているのかを理解する上で非常に有用です。

そして、「本来この規格が何を求めているのか」≒「効果的に事業継続マネジメントに取り組むためには何が必要か」という関係が成り立ちますので、BCMS の認証取得を目指すかどうかは関係なく、事業継続マネジメントに取り組む全ての方々にとって、本書は間違いなく役に立ちます。

また、第 4 章は「ISO 22301 についての Q&A」となっており、日本で多くの方々が抱いていると思われる 16 の疑問に対して、19 ページを割いて回答されています。これらも事業継続マネジメントに対する理解を深める上で大変有用だと思います。企業をはじめとして多くの皆様に活用していただきたい書籍です。

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

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