月別アーカイブ: 2020年10月

陸上自衛隊の仮設浴場の現物を拝見

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毎年恒例の「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2020」で、陸上自衛隊の仮設浴場が展示されていました。

大規模災害が発生した際などに被災地に設営されるものですが、万が一の軍事行動で部隊を展開した際にも全く同じように設営されるそうです。

仮設浴場なので、もっと簡素なものかと思いましたが、蛇口やシャワーなども銭湯などで使われているものと同じような一般的なものが備えられていて、ちゃんと普通の風呂でした。
(実際に設営される際には、この浴槽とシャワーが備えられたテントがもう一つ設営されるそうです。)

ボイラーと発電機。

こちらが貯水槽。10kl 入るようです。

スタッフが 7 人いれば 3 時間程度で設営できるそうです。

こういう設備の出番がないのが一番ですが、災害派遣などで今後も活躍される機会があると思います。がんばっていただきたいと思います。いつもお疲れさまです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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Incident Command System Field Guide 入手

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米国で標準採用されている緊急事態対応システムである Incident Command System (ICS)がコンパクトな冊子にまとめられた、「NIMS Incident Command System Field Guide」を入手しました。

この冊子の存在を知人から聞いて、すぐ Amazon で注文したのですが、外国からの輸入となったようで、届くまで一ヶ月以上かかりました(9 月 8 日に注文して 10 月 19 日に到着)。

このように片手に収まる大きさで、リング綴じになっています。

中には組織図や説明、チェックリストなどがコンパクトにまとめられています。

 

私自身がこれを緊急事態対応の現場で使うことはありませんが、ICS の内容を勉強するのに役立つと思って購入しました。私が購入した時点での価格は税込み 2,901 円でした。

緊急事態対応のためのマニュアルをコンパクトにまとめる際のお手本としても参考になるのではないかと思います。

ところで、これを手にとったときに Emergency Response Guidebook (ERG) が iOS アプリになっていることを思い出したので、App Store で「NIMS ICS」で検索してみたところ、やっぱりありました。こちらは税込み 1,840 円。

ざっと見てみたところ、冊子と同じ内容がアプリに収録されているようです。

アプリの方が読みたいページにアクセスしやすいですし、チェックリストもボタンのオン/オフになっていて使いやすいです。

【参考】

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> 中小企業のレジリエンスと競争力に影響を与える因子は何か?

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 121 回:中小企業のレジリエンスと競争力に影響を与える因子は何か?
Gunasekaran 他 / Resilience and competitiveness of small and medium size enterprises: an empirical research

マサチューセッツ大学ダートマス校の研究者3人による論文の紹介です。

論文の前半では他の研究者による論文のレビュー結果から、中小企業のレジリエンスと競争力に影響を及ぼすと考えられる因子を抽出した上で、後半部分ではこれを検証するために地元の中小企業を対象として実施したアンケート調査の結果を報告しています。

下記 URL をクリックしてお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/31ocTu7

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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YouTube> BCM においてリスクアセスメントはどんな風にやればいいのか

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YouTube の『事業継続マネジメントについて語りつくすチャンネル』に新しい動画をアップロードしました。

第 11 回: BCM においてリスクアセスメントはどんな風にやればいいのか

今回は BCM におけるリスクアセスメントの考え方や方法論について語っております。
第 9 回「目標復旧時間をどのように決めるか」および第 10 回「BCP では被害想定をどう使うか」とも関連の深い内容ですので、こちらと合わせてご覧いただけると、より腑に落ちやすくなるのではないかと思います。

《参考》

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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BCI 日本支部 2020 年度第 3 回定例会を開催しました

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一昨日、私が事務局を務めております BCI 日本支部の、今年度第 3 回の定例会を開催しました。

今回は「事業継続ソリューション」を主なテーマとしました。これは BCI の Good Practice Guidelines 2018 年版では PP4 の「Design」の段階で説明されているものです。さらに、前回同様に新型コロナウイルスに関する情報共有の時間も設けました。

開催報告は BCI の Web サイトに掲載されています。当日の説明に使用したスライドと、定例会の録画(動画)も見られるようになっていますので、ご興味がありましたら下記 URL にアクセスしていただければと思います。

https://www.thebci.org/news/bci-2020-3.html

(動画にアクセスするためには氏名とメールアドレスを入力する必要がありますが、BCI 会員でなくても視聴可能です。)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> 国連機関による、災害をもたらすハザードの定義と分類

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 120 回:国連機関による、災害をもたらすハザードの定義と分類
UNDRR / Hazard Definition & Classification Review Technical Report

前回に続いて国連防災機関(United Nations Office for Disaster Risk Reduction:略称UNDRR)から発表されたレポートの紹介です。

現在は地震や津波、洪水など災害をもたらし得るハザードの分類方法や用語、定義などが統一されていないため、世界規模で災害の被害状況を正確に集計・分析できないという問題があるそうです。そのような問題意識に基づいて、世界各国の主要な災害情報データベースや様々な資料を調査したうえで、統一的なハザードの分類方法や定義が提案されています。

下記 URL をクリックしてお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/2FqWL3k

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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書籍紹介『世界に通じる危機対応 ISO 22320:2011 危機対応に関する要求事項 解説』林春男(編集委員長)

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手前味噌ですが私自身が関わった書籍のご紹介です。

危機対応(緊急事態対応)に関する国際規格「ISO 22320」が 2011 年に発行され、その内容を変えずに和訳したものが日本産業規格「JIS Q 22320」として 2013 年に発行されたことを受けて、これを日本で普及させることを目指して作られた本です。ISO の委員としてこの規格の制定に参画された林春男先生に編集委員長をお願いし、一般社団法人レジリエンス協会の有志 7 名からなる「危機対応標準化研究会」にて執筆しました。

ISO 22320 は、効果的な危機対応を実現するために最低限考慮すべき事柄として、指揮・統制のあり方、危機対応に用いる活動情報処理のあり方、部局間・組織間の協力および連携のあり方、などについてまとめられた規格です。危機事象の種類(災害や事故など)や組織の種類(公的機関や民間企業など)にかかわらず汎用的に適用できる規格となっています。

この規格の JIS 化に合わせて本書を企画した問題意識については、林先生が「はじめに」で次のように述べておられます。

世界の先進国では,どのような種類の危機が発生しても対応可能であり,対応にかかわるすべての組織に共通する一元的な危機対応体制が採用されている.先進国の中では我が国だけが例外である.その原因に,従来の個別的な対処方法でもこれまで様々な種類や規模の危機を乗り越えてきたという成功体験があり,改める必要性が見いだせないことがある.しかし,今後予想される大規模災害を考えると,危機対応の標準化はレジリエンスの向上には不可欠であると考えられる.

 

本書の構成は次のようになっており、規格の内容は第 2 章で解説されています。

  • 第 1 章 危機対応に本当の専門家はいない
  • 第 2 章 ISO 22320 の解説
    • 4. 指揮・統制に関する要求事項
    • 5. 活動情報に関する要求事項
    • 6. 協力及び連携に関する要求事項
  • 第 3 章 規格は使わなければ意味がない
  • 第 4 章 ISO 22320 を現場に活かすには
  • 付録 ISO 規格開発手順

私自身は第 2 章の「4. 指揮・統制に関する要求事項」の執筆を担当させていただきました。また林先生に第 1 章と第 3 章の執筆をお願いしました。

本書全体を通して、単に要求事項の解説にとどまらず、これらを自治体や企業などの組織で実践するための留意点やヒントをできるだけ記述するようにしています。

特に第 2 章においては、規格の内容に基づく解説に加えて、具体例のひとつとして米国で標準的に採用されている「Incident Command System」(ICS)の要点を紹介しています。ICS は ISO 22320 よりも先に開発されたものですが、ISO 22320 の要求事項が概ねカバーされているので、この規格の要求事項を具体的にはどのように実現していくのかを考えるうえで、とても参考になります。

 

実は ISO 22320 が既に 2018 年に改定されており、規格の構成や内容が大幅に刷新されているのですが、この 2018 年版が JIS 化される予定は今のところ無いようです(2020 年 10 月時点での状況)。したがって本書も改訂される予定がありません。個人的には 2018 年版も早急に JIS 化されてほしいのですが…….。

 

【書籍情報】

危機対応標準化研究会(編著)(編集委員長 林春男)(2014)『世界に通じる危機対応 ISO 22320:2011(JIS Q 22320:2013)社会セキュリティ – 緊急事態管理 – 危機対応に関する要求事項 解説』日本規格協会。

Amazon リンク

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> 仙台防災枠組に基づく世界の災害リスクの概観

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 119 回:仙台防災枠組に基づく世界の災害リスクの概観
UNDRR / Global Assessment Report on Disaster Risk Reduction 2019

国連防災機関(United Nations Office for Disaster Risk Reduction:略称UNDRR)から発表されている、災害リスク軽減に関するレポートの 2019 年版を紹介しています。

2015 年に採択された「仙台防災枠組 2015-2030」で設定されている 7 つの目標に対する進捗という観点で、災害の発生状況や災害リスク軽減策の実施状況などに関する多数のデータが示されています。

下記 URL をクリックしてお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/36Ed0Fw

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「自然災害」と呼ぶのをやめよう

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昨年から「#NoNaturalDisasters」というキャンペーンが始まっているのを最近知りました。

日本語でもよく「自然災害」という言葉が使われますが、端的に言えばこのキャンペーンは、「自然災害」(natural disaster)という言葉を使うのをやめよう、というものです。

本来は「自然災害」という言葉は、地震や津波、洪水、土砂災害などの自然現象によって人間社会に発生する被害の総称として用いられます。これらの被害をもたらす自然現象そのものを人間の力で防ぐことはできませんが、これらの現象による被害を防いだり、被害規模を小さくすることはできます

しかし実際には、前述のような自然現象そのものを指して「自然災害」と呼ばれることも多いため、自然現象とそれらによる被害(災害)との区別が曖昧になりがちです。このような混同の結果として、自然現象による被害も避けられないという誤解を助長しかねず、災害対策なんてやってもムダという諦めに繋がりかねません。

英語では地震や風水害など、災害をもたらす現象を「hazard」と呼ぶので、上のような誤解を防ぐために、これからは災害をもたらすような自然現象を「natural hazard」と呼び、「natural disaster」という用語を使うのをやめよう、と提案されています(注 1)。

以上は英語での話ですが、hazard とそれらによる被害とを区別すべきなのは日本語でも同様です(注 2)。ただし hazard に相当する適当な単語が日本語になく、そのままカタカナで「ハザード」と呼ぶことが一般的なため、natural hazard は「自然ハザード」ということになります。

「自然ハザード」という呼び方は日本では馴染みがないと思いますし、私自身もそのような呼び方を使ったことはありませんが、これからは「自然ハザード」という呼び方を広めていきたいと思います。この趣旨にご賛同いただける方は、ぜひ積極的に「自然ハザード」という呼び方を使ってみてください。

ちなみに「#NoNaturalDisasters」キャンペーンの Web サイトは下記 URL のとおりです。英語だけですが、ぜひアクセスしてみてください。

https://www.nonaturaldisasters.com/

【注釈】

  1. 国連防災機関(UNDRR)(旧名称:国連国際防災戦略事務局 UNISDR)から発表される各種資料では、数年前から「natural hazard」という用語が使われています。
  2. 日本の災害基本法でも、「災害」は「災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう」と定義されています(第二条)。長すぎて分かりにくいですが、要するに最後の「〜により生ずる被害をいう」という部分を見れば、hazard ではなくそれらによる被害のことを「災害」と定義していることが分かります。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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