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「CBCI 資格認定トレーニングコース」の受講をお勧めする理由

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2022 年より、シンガポールの BCP Asia 社が運営している「CBCI 資格認定トレーニングコース」のオンライン日本語コースで講師を担当させていただくことになりました。

この「CBCI 資格認定トレーニングコース」は、事業継続マネジメント(BCM)の実務に必要な基礎知識を網羅的に学べるように構成されています。コースの内容は、BCM のガイドラインとして世界で最も参照されている「Good Practice Guidelines」に準拠しているので、世界標準となっている BCM の手法を体系的に学ぶことができます。

そこで本稿では、日本で BCM に関する仕事に従事されている皆様に、この研修コースをお勧めしたい理由を説明させていただきます。

コースの内容

コースの内容は Good Practice Guidelines(略称 GPG)に基づいて次のような構成となっており、事業継続計画(BCP)の作成にとどまらず、BCM の実務全体がカバーされています。

  1. ポリシーおよびプログラムのマネジメント(適用範囲の設定やプログラム全体の計画など)
  2. 事業継続の適用(教育訓練や意識付けなど)
  3. 分析(事業影響度分析やリスクアセスメントなど)
  4. デザイン(事業継続戦略の検討など)
  5. 導入(BCP の作成と管理、コミュニケーション計画など)
  6. 妥当性の確認(演習や BCM 活動の見直しなど)

BCM の「世界標準」とはどういうことか?

BCM の概念や手法は欧米で開発された後に日本に輸入されましたが、日本では欧米に比べて地震・津波や豪雨災害などのリスクが大きいことなどから、災害対策の延長線上で日本流にアレンジされながら BCM の普及が進みました。そのような経緯から、日本における BCM には次のような特徴があります。

  • 地震や豪雨災害などの災害に対応する前提で BCP が作られることが多い
  • 地震、洪水、感染症などのハザードの種類ごとに BCP が作られることが多い
  • BCM の活動全体の中で、特に BCP の作成が重視されることが多い
  • 事業活動の継続・再開について扱われていない災害対応計画でも「BCP」と呼ばれることがある

最近はようやく日本でも、「オールハザード」(もしくはマルチハザード)の BCP の必要性に言及されるようになってきましたが、世界標準の BCM はもともとオールハザードで考えられてきたものです。

もちろん日本流の BCM にも利点はありますが、サプライチェーンが国際的に広がっている昨今、外国企業との間で BCM に関する説明や対話、議論が増えてきているため、日本企業においても世界標準の BCM に取り組む必要性が高まっていると言えます。

BCI の Good Practice Guidelines(GPG)は世界中の BCM 関係者に活用されており、かつ国際規格 ISO22301 との整合性も確保されているので、GPG に基づいて BCM の手法を学ぶことで、世界中の BCM 関係者との間で共通のフレームワークや基礎知識を備えることができ、諸外国の取引先との間で BCM に関する円滑なコミュニケーションができるようになります。

また、GPG は約 20 年の間に 5 回改訂されており、改訂のたびに世界中の BCM 関係者からのフィードバックが取り込まれています。したがって、GPG を通して世界中のプロフェッショナルの経験によって洗練された方法論を学ぶことができます。

「CBCI」資格とは何か?

「CBCI」とは、BCM の普及啓発に取り組む国際的な非営利団体であるBCI(Business Continuity Institute:事業継続協会)によって認定される、エントリーレベルの資格です。日本ではあまり普及していませんが、諸外国では企業などで BCM の担当者に関する求人で CBCI 以上の資格取得が条件になっていることも少なくありません。また BCM のコンサルタントなどにとっては CBCI は必須であり、CBCI より上の資格である「MBCI」以上を取得していないと専門家として認められない場合もあります。

CBCI 資格を取得するためには、BCI が運営している「CBCI 試験」に合格することが求められます。これは選択式の筆記試験で、GPG からまんべんなく出題されますので、GPG の内容を網羅的に学習して理解する必要があります。

BCP Asia 社の「CBCI 資格認定トレーニングコース」は、CBCI 試験の範囲を全てカバーしており、試験の内容も熟知した講師が担当しますので、このコースを受講することで、より自信を持って CBCI 試験に臨めるようになります。

もちろん資格取得が必要ない方にとっても、GPG に基づいて BCM のフレームワークを理解した上で、実務に必要な手法を体系的に学ぶことができる実践的な内容となっています。講師は経験豊富なコンサルタントなので、BCM の実務経験を交えて分かりやすく解説します。また質疑応答の時間も長めに確保されているので、受講者の皆様の興味や関心に応じて、より具体的なノウハウをお伝えすることができます。

なぜ BCP Asia 社の研修コースなのか?

読者の皆様の中には、なぜ筆者がシンガポールの BCP Asia 社と組んで日本人向けに研修を行うことにしたのか、疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

意外に思われるかもしれませんが、シンガポールでは日本よりも早い時期から BCM の普及が進められてきました。BCM に関する最初の国際規格「ISO 22301」が発行されたのは 2012 年ですが、これより前の 2008 年にはシンガポールで独自の国家規格「SS 540」が発行され、特に金融セクターを中心に BCM への取り組みが推進されてきました。

そのような BCM 先進国であるシンガポールで、BCP Asia 社は 2009 年から BCM に関する研修コースを運営してきました。またマレーシア、タイ、中国でも研修を実施し、これまで多数の CBCI 試験合格者を送り出してきた実績を持っています。そこで筆者は、そのような研修の経験やノウハウを活用して日本での BCM に役立てたいと思い、BCP Asia 社の講師としてこの研修コースを日本語で提供するという形を選びました。

研修の受講を検討される方へ

弊社の Web サイトに、この研修に関する説明を掲載しておりますので、下記 URL をご参照いただければ幸いです。
https://office-src.com/business/cbcitraining

なお、お申し込みをされたい方は BCP Asia 社の Web サイト(下記 URL)から直接お申し込みください。
https://bcpasia.com/training/cbci-japan/

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事業継続マネジメント(BCM)に関するガイドブックを出版させていただきました。特に中小企業の皆様が自力でに取り組まれることを想定して執筆させていただきましたので、お役立ていただければ幸いです

田代邦幸(著)『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)1,980 円(税込)

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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陸上自衛隊の仮設浴場の現物を拝見

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毎年恒例の「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2020」で、陸上自衛隊の仮設浴場が展示されていました。

大規模災害が発生した際などに被災地に設営されるものですが、万が一の軍事行動で部隊を展開した際にも全く同じように設営されるそうです。

仮設浴場なので、もっと簡素なものかと思いましたが、蛇口やシャワーなども銭湯などで使われているものと同じような一般的なものが備えられていて、ちゃんと普通の風呂でした。
(実際に設営される際には、この浴槽とシャワーが備えられたテントがもう一つ設営されるそうです。)

ボイラーと発電機。

こちらが貯水槽。10kl 入るようです。

スタッフが 7 人いれば 3 時間程度で設営できるそうです。

こういう設備の出番がないのが一番ですが、災害派遣などで今後も活躍される機会があると思います。がんばっていただきたいと思います。いつもお疲れさまです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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事業所内に設置するタイプの地震シェルター

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工場や倉庫などの大規模な事業所における地震対策には多額の費用がかかるということで、対策の実施に踏み切れない企業も少なくないのではないかと思います。特に、建物自体が老朽化して耐震性に不安がありながら、耐震診断や改修を行う費用を捻出できないという話はよく伺います。

しかし、例えば次のような製品であれば、建物そのものには大きく手を加えずに、従業員が身を守るための場所を作ることができます(順不同)。それなりの費用はかかりますが、建物全体の耐震化にかかる費用に比べたら桁違いに安価でしょう。

プレス工業(株)「地震シェルター」
https://www.presskogyo.co.jp/products/shelter.html

ワールドネットインターナショナル(株)「耐震シェルター」
https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/seismic-shelter/

(有)エコルート「地震シェルター」
http://www.eco-rt.jp/5-jisin/busi-top.html

 

このようなシェルターを必要な数だけ事業所内に配置し、揺れを感じたらすぐシェルターに逃げ込む訓練を繰り返し実施すれば、事業所の建物が倒壊したり、上から機材などの重量物が落下してきたりしても助かる可能性が高まります。

従業員の皆様の命を守るために、工場や倉庫などの事業所で導入をご検討いただければと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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新建新聞社の『防災+手帳』2021 年版を買ってみました

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『リスク対策.com』でおなじみの新建新聞社から『防災+手帳』の 2021 年版が発売されたので買ってみました。

これは「防災+手帳」本体と「防災ポケット BOOK」2021 年版との組み合わせになっています。

本体の内容は下の写真のようになっています。90 ページ弱のコンパクトな冊子ですが、一般市民レベルで必要な防災知識はひととおり網羅されているのではないかと思います。ページ数の割に情報量がかなり多い印象です。

また、「防災ポケット BOOK」の方はカレンダーを中心とした構成になっています(2021 年版ですので来年のカレンダーです)。

毎日ひと言ずつ、ちょっとした防災知識や心構えなどが書かれていますので、こういうのを毎日ちょっとずつ読んでいくと、防災に関する知識や意識を定着させられるのではないかと思います。毎朝(もしくは毎週)朝礼を行っているような職場でしたら、そういう場で話題にしていただいても良いでしょう。

また毎月テーマが決まっていて、月の見開きの左下にはそのテーマにそった「防災対策チェックリスト」があります。このチェックリストに書いてあることを毎月確認もしくは実践していくと、職場やご家庭での災害対策が少しずつ整っていきます。

内容について詳しくは下記リンク先をご参照ください。こちらから通販で購入できます。
https://www.risktaisaku.com/articles/-/31095

個人で買ってももちろん役に立つのですが、企業でまとめて購入して、従業員やその家族に配布するのも有効だと思いますし、100 部以上の注文で表紙に企業の社名やロゴを入れられ、500 部以上なら表紙のカスタマイズもできるそうですので、PR 用のノベルティーとして配布するという使い方もできます。学校や自治会、マンション管理組合などでまとめて購入して配布するなど、様々な使い方をご検討いただければと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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ホリカフーズの災害用非常食を食べてみた

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今日、某所にてホリカフーズの災害用非常食をいただきましたが、自宅には既に十分の備蓄があるので、早速食べてみることにしました。

いただいたのはこちらの「和風ハンバーグ」。買うと 1,000 円以上します。

(ホリカフーズ Web サイト)http://www.foricafoods.co.jp/rescue/589

私自身、いろいろな災害用非常食を食べたことがありますが、こちらのように加温するタイプは初めてです。箱の裏面に温め方が書いてあります。

まず箱を開けて中身を確認します。外箱に書いてある賞味期限は 2022 年 7 月ですが、ごはんの賞味期限は 2024 年 8 月、発熱剤の有効期限は 2026 年 2 月でした。

ちなみに手前に見えるウェットティッシュのような袋は紙ナプキンです。手を拭くためではなく、熱くなった袋を取り出すときのために入れてあります。

箱の裏面に書かれている手順通りに準備を進めます。発熱剤、ごはんパック、おかずパックをジッパー付きポリ袋に入れ、これを外箱に入れ、発熱溶液を注入してジッパーを閉じます。

発熱溶液を注入した直後から 5 分間くらいは結構勢いよく蒸気が吹き出しますが、その後若干落ち着きます。説明によると蒸気が約 20 分にわたって発生し、その後 10 分蒸らすことになっていますが、今回は 15 分程度で蒸気の発生がほぼ止まったので、そこから 10 分蒸らして合計 25 分で加熱完了ということにしました。

あとは取り出して食べれば良いのですが、ポリ袋が深いうえに熱くて迂闊に手を突っ込めないので、取り出すのに少々難儀しました。袋を破って取り出すにも袋が丈夫で破れなかったので、割り箸か何かがほしいと思いました。

取り出した後も発熱剤はしばらく熱いので注意が必要です。箱に入っている状態で加熱している間は箱の底に敷いてあるダンボールが断熱材となっているので大丈夫なのですが、箱から出した状態でテーブルに直置きすると、テーブルの材質によっては溶けたり変色したりするかも知れません。

さて肝心の食事の方は、取説より 5 分ほど短い時間でしたが加熱も十分で、美味しくいただきました。

もちろん完食 (^_^) 。

やはり温かい食事はありがたいものです。単価が高いので企業などで大量に備蓄するには不向きかもしれませんが、家庭での備蓄ならば総額も知れたものですから、少々高価でも温かい災害用非常食を備えておいたほうが良いのではないかと思いました。

なお留意点として、実際に食べるときにはあまり空腹が進まないうちに準備を始めたほうが良いと思います。腹がグゥグゥなり始めてから 30 分待たされるのはなかなか辛いものがあります。
実は今回がまさにそうでした。

衛星通信トランシーバー(アイコム/イリジウム)IC-SAT100

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2019 年 9 月 25 日に開催された、新建新聞社主催の「危機管理カンファレンス 2019 秋」に、アイコム(株)の「衛星通信トランシーバー」が出展されていました。

衛星通信トランシーバー IC-SAT100
https://www.icom.co.jp/products/land_mobile/products/satellite/ic-sat100/

これは 2019 年 7 月からサービスを開始したのだそうで、イリジウム(Iridium)の通信衛星を使って、無線機のように同報通話できるものです。端末の使い方も無線機そのもの。

出展されていたご担当者様に聞いたところ、端末の価格は約 20 万円、料金は月額固定で 1 台あたり 8,000 円程度だそうです(料金は変動することがあります)。

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旭日建設(株)「浸水ストッパー」

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先日見学した「危機管理産業展 2019」で見つけた製品のひとつで、簡単な設置作業で外部からの浸水を完全に止める「浸水ストッパー」です(私自身が知らなかっただけで少なくとも 2018 年から販売されていたようです)。

あらかじめレール付きの柱を敷設しておき、浸水害のリスクが高まってきたらレールの間に板を差し込むというオーソドックスな構造ですが、板を差し込んだ後にレバーで圧着して隙間を完全に塞ぐので、水が全く漏れないそうです。

最大で幅 6m x 高さ 2m くらいまで対応可能だそうです。費用については個別見積が必要ですが、大雑把な目安としては、幅 2m x 高さ 30cm の場合で工事費込みで 50 万円程度とのこと。これはあくまでも目安であり、現場の状況によって金額が大きく変わる可能性もあるので、必ず個別見積が必要になります。

詳しい情報は製造元の旭日建設(株)の Web サイト(http://www.kyokujitsu-group.com/)に掲載されています。

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