リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。
【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 133 回:地球規模の気候変動を踏まえつつ自然災害を総括した報告書
Aon / Weather, Climate & Catastrophe Insight 2020 Annual Report
世界最大級の保険・再保険ブローカーである Aon が毎年発表している報告書です。1 年間に発生した自然災害の被害規模や発生状況のトレンドなどをまとめたもので、特に経済的損失に関するデータが豊富に掲載されています。
特に、米国や欧州においては災害で発生した経済的損失に対して損害保険の活用が進んでいるのに対して、アジア地域では損害保険があまり普及していない様子がうかがえます。このようなデータを見ると、アジア地域(日本も含む)における損害保険の普及が急務であると改めて感じます。
また本報告書には、災害をもたらすような気象現象の発生が今後どのように変化していくかを検討する材料として、地球規模での気候変動に関するデータや解説が充実しています。特に今回は、エルニーニョ・ 南方振動(El Niño-Southern Oscillation:ENSO)の状況に加えて、二酸化炭素の排出量の変化や、北極海における海氷面積の減少などといった、気候の温暖化を示すデータや解説に関するセクションが追加されています。
気候変動問題を身近な問題として考えられる機会は少ないかもしれませんが、本報告書のように自然災害との関連性を示す形でデータや解説が提供されると、気候変動に対する問題意識もより具体的になるのではないかと思います。BCM や災害対策のためのリスクアセスメントに対するインプットとして、活用する価値が高い資料なのではないかと思います。
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合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸