参加報告)レジリエンス協会 2020 年 1 月定例会

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一般社団法人レジリエンス協会の定例会に参加してきました。

当日のプログラムは下記 URL のとおりです。
https://resilience-japan.org/meeting20200108/

講演の抄録および講演資料などは協会のサイトに後日掲載されると思いますので、以下はとりあえず個人的なメモです。

まず基調講演では公益財団法人地球環境戦略研究機構の武田智子様から、『レジリエンス書き初め』というご提案をいただき、レジリエンスに関する 2020 年の目標と、それに向けての大まかなロードマップを、個人、家族、職場、コミュニティ、自治体、国、国際といったそれぞれのレベルで書いてみよう、ということになりました。簡単なことではありますが、あらためて年初にこのようなことを文字にしてみて良かったと思いました。今日書いた紙は自室に貼っておきたいと思います。

同じく地球環境戦略研究機構の三輪幸司様から、『農業セクターのレジリエンス向上に向けた農地・農業用施設の災害復旧事業における課題』というタイトルで、地震や台風などの災害で被災した農地における被害の状況と、そこからの復旧事業における課題について講演がありました。

調査結果に関しては報告書が公開されているようなので、後日探しておきたいと思いますが、個人的に特に重要だと思った指摘は次のとおりです。

  • 大規模な災害が発生すると、農地が原形をとどめなかったり、区画の境界線が不明になる場合があるため、農地の区画が平時から GIS データで把握されていると有利(※ なお後から登壇された濱本様によると、最近 10 年くらいで農地の GIS データの整備が進められて来たので、活用できる可能性は十分あるとのこと)。
  • 今回の発表内容では農協に関する言及はなかったが、農協に入っていない農家では、災害発生後に連絡がつきにくかったり、災害復旧事業などに関する情報が伝わりにくくなるというような事があった。
  • 行政組織における職員の不足、特に災害復旧に関する知識を持った職員の不足が、被災地での復旧事業を遅らせる要因になっている。そのため復旧事業に関する手続きの簡素化や、他自治体からの応援の拡大などが必要。

最後に ESRI ジャパン株式会社の濱本両太様より、『クラウド GIS を用いた災害時の建物被害認定調査と時空間分析の最新事例』という講演がありました。このシステムの構築や運用実績に関する話は他の機会でもたびたび聞いていましたが、今回は特に技術的な側面について具体的に説明を聞くことができて有益でした。

また、新潟大学と共同で進められているプロジェクトの成果も紹介されました。
https://www.prism-bosai.jp/p4.html

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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