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「はじめに」全文公開(「事業継続マネジメント」実践ガイド)

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先日出版された著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の「はじめに」(前書き)を全文公開させていただきます。ぜひ参考にしていただき、役に立つとお感じになられたらぜひご購入いただければ幸いです。


本書をお手にとっていただき、誠にありがとうございます。

本書のタイトルにある「事業継続マネジメント」(BCM)とは、事故や災害などの影響で事業活動が中断されてしまった場合に、どのような方法で事業再開・継続を果たしていくかを、平常時のうちに検討し、準備しておくための方法論です。また、実際に事業中断に陥ってしまったときに、事業再開・継続を実現するための方法を文書化した計画のことを「事業継続計画」(BCP)といいます。

筆者が本書を執筆している2021年4月においては、世界中で新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(世界規模での流行)が猛威を振るっており、いまだ収束の見通しは立っておりません。2020年初頭から日本でも感染者が増加し、多くの企業が規制や自粛などによる事業活動への制限や、顧客の大幅減少などの影響を受けながら、感染防止対策や事業継続、さらには企業の存続のために奔走しておられることと思います。

筆者が専門としている事業継続マネジメントの分野においても、2020年には、このような状況を踏まえて様々な議論がありました。事業継続のための活動をいかにパンデミックに対応させていくかというような観点もあれば、BCPはこのようなパンデミックには役に立たないのではないかといった極端な意見もありましたが、いずれにしてもパンデミックによって事業継続マネジメントの重要性が再認識されたことは疑いようがありません。

しかしながら、一方で、これまで事業継続に関する取組みも検討も進めてこなかったという企業が多いのも事実です。今このページを読んでくださっている方々の中にも、これまで「事業継続マネジメント」という言葉を知らなかった、あるいは何から始めればいいのかわからず手をつけられなかった、という方が少なくないのではないでしょうか。

そのような状況であっても、まず本書をお手に取っていただき、このページを開いて下さったということは(たとえ書店での立読みだったとしても)、あなたが御社の事業継続に関して既に何らかの問題意識を感じておられるということかと思います。

日本企業の、特に中小企業の多くが未だにそのような問題意識を抱いていない現状において、既にこのページを開いておられることは、非常に大きなアドバンテージです。ぜひ、その問題意識を放置せずに、実践への1歩を今すぐ踏み出していただきたいと思います。

本書は、事業継続マネジメントの実務に20年近く携わってきた筆者自身が持つノウハウを、特に中小企業の皆様に自力で取り組んでいただけるように書籍化したものです。しかもそのノウハウは、筆者の我流ではなく、世界的に広く用いられている標準的な方法論に基づいています。

この方法論は、もちろん日本企業にとっても有用であり、正しく理解すれば、特に中小企業の事業継続のために確実にプラスになるノウハウです。しかしながら、参考書などの情報の多くが英語で書かれている等の理由から、日本企業にはあまり普及していないのが現状です。

筆者は、2005年にこの分野のコンサルティングに従事するようになって以来、事業継続マネジメントに関する本家本元の1つである、BCI(The Business Continuity Institute)が発行するガイドラインや、海外のBCI会員および関係者との間での議論から、実践的な事業継続マネジメントのノウハウを学び、また多くのコンサルティング案件での実践を通して、この方法論を日本企業に適用するための勘どころやコツを習得してきました。

本書の執筆にあたっては、そのようなノウハウや経験を、書籍という媒体で表現できる限り、惜しみなく投入しています。その結果として、それなりに分量の多い本になりました。特に第3章〜第4章あたりは文字数が多くなっており、読みにくいと感じられる方も少なくないのではないかと思います。言い訳がましいことを言うようで恐縮ですが、書籍という媒体では質問をお受けすることができないため、多くの方から質問されそうなことをなるべく先回りして説明するようにしています。したがって、自分に関係なさそうな部分については、適宜読み飛ばしていただければと思います。

このような書籍を世に出してしまうと、競合相手となるコンサルタントにそのノウハウを模倣されてしまうのではないかと思われるかもしれませんが、筆者としてはむしろ著作権など本書に関する知的財産権を侵害しない範囲であれば、どんどん模倣していただきたいとさえ思っています。

総務省統計局が発行している『日本の統計2020』によると、平成28年時点での国内企業数は約386万社です(https://www.stat.go.jp/data/nihon/pdf/20nihon.pdf アクセス日:2021年4月29日)。これほど多くの日本企業に事業継続マネジメントを普及させていくためには、実践的なノウハウを持つコンサルタントがもっと増えた方がよいでしょう。

筆者としては、そのくらいの想いで本書を執筆しておりますので、企業で事業継続マネジメントに取り組む皆様におかれましては、ぜひ本書を足がかりとして、御社の事業継続力を維持向上させるための活動を実践していただきたいと思います。

本書は7つの章で構成されていますが、第2章から第7章までで事業継続マネジメントの活動全体を網羅するように執筆しました。これから初めて事業継続マネジメントに取り組まれる方々のために、各章に含まれている項目は、実際に事業継続マネジメントに取り組まれる際に実施される順序を意識して並べてあります。しかしながら、既に取り組みを進めておられる方々であれば、必ずしも最初から最後まで順序どおりに通読されずに、目次を見て気になった項目をピックアップして読んでいただいても、役に立てていただけるのではないかと思います。

一方で、第1章には、事業継続マネジメントの活動全体にかかわる基本的な考え方をまとめました。こちらに関しては、最初にひととおり目を通されることをおすすめします。多くの日本企業は、これらの考え方を知らないために、事業継続マネジメントへの取組みに躊躇されていたり、取り組み始めてから大変な苦労をされたりしています。したがって先にこれらを知るだけでも、今後の取り組みがかなり楽になると思います。

今本書を読んでくださっている皆様のお立場は、企業の経営者から事業継続や災害対策などのご担当者、コンサルタント、さらには災害や危機管理などに関する研究者の方々など様々かと存じますが、どのようなお立場の方々に対しても、本書を通して何かしら新たな知識やヒントをお伝えできることができ、日本企業における事業継続マネジメントの普及に少しでも寄与できれば幸いです。


(Web サイトへの掲載に合わせて、文字種(全角/半角)を一部修正しました。)

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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書籍出版のご報告> 『「事業継続マネジメント」実践ガイド』

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このたび、セルバ出版様より著書を出版させていただきましたので、ご報告します。

『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』

事業継続マネジメント(BCM)の実践的なノウハウを、できるだけ網羅的に詳しく書かせていただきました。企業などで BCM に取り組まれている方や、この分野でコンサルタントや BCMS 審査員などといった形で活動されている皆様に、ぜひご活用いただければと思います。

1,980 円(消費税込)です。

ちなみに目次は以下のようになっております。

第1章 中小企業にこそ必要な「事業継続」の考え方

– 「事業継続計画(BCP)は中小企業には難しい」というのは誤解
– 最初から継続的なマネジメント活動として取り組もう
– BCPを作ることには極力手間をかけずに済ませよう
– 「防災」と BCM との関係を整理しておこう
– 必ずしも「できるだけ早く復旧させる」ことが BCM の目的ではない
– 御社における災害のリスクを総合的に把握しておこう
– 事業継続のための活動を普段の商売に活かそう
– 非営利組織はどのように事業継続に取り組むべきか
– 他者の力も借りて合理的な事業継続を実現しよう
– どこで手を抜けるか考えながら取り組もう

第2章 まず御社の事業継続の基礎固めをしよう

– 事業継続のための「基礎固め」のために何をすべきか
– 顧客やサプライヤーなどとの関係を大まかに整理しよう
– 資金繰りをザックリ試算してみよう
– 御社が事業継続マネジメントに取り組む目的を文章にしてみよう
– 事業継続マネジメントの適用範囲を決めよう
– 事業継続マネジメントの大まかな年間計画をつくろう

第3章 事業継続における優先順位を整理しよう

– どの製品・サービスを優先的に復旧すべきかを考えておこう
– 復旧を後回しにすべき製品・サービスについてどうするか考えておこう
– 災害が発生してから復旧までの時間を「目標」として決めよう
– 最悪の事態を想定すべきか?

第4章 御社の「事業継続上の弱点」を見極めよう

– この章での分析作業の流れ
– 製品・サービスを顧客に届けるためのプロセスを整理しよう
– 必要な資源を把握しよう
– 事業中断リスクが集中している資源を把握しよう
– 資源が使えなくなった場合のリスクを評価しよう
– サプライチェーンにおけるリスクをどのように評価するか

第5章 弱点をカバーする方策を検討しよう

– 「元に戻す」以外の方策を考えてみよう
– 自社にとって現実的・合理的な方策を見極めよう
– 普段の仕事の見直しが事業継続につながらないか考えよう

第6章 検討結果を「事業継続計画」(BCP)にまとめよう

– BCP に関する文書構成を考えておこう
– BCP に最低限これだけは書こう
– どのような体制で緊急事態に対応するか決めておこう
– 緊急事態における法的要件を確認しておこう
– BCP の雛形を有効に活用しよう
– どこまで詳しく BCP に書く必要があるか見極めよう
– BCP は「災害が発生した直後に見直す」前提でつくろう
– 作成した BCP を社内に周知しよう

第7章 演習などを通して BCP を改善しよう

– 自社にどのような演習が必要なのか検討しよう
– シンプルな方法で「机上演習」を実施しよう
– 演習の結果は必ず記録しよう
– 演習結果を BCP の改善に活用しよう
– 他社での事例なども改善に活かそう
– 規格やガイドラインなども参考にしよう

 

多くの皆様にお役立ていただければ幸いです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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事業継続マネジメントの活動を普段の商売に活かしましょう

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。

事業継続マネジメント(BCM)に関する仕事は「掛け捨ての保険」にたとえられることがあります。これは、BCM はあくまでも万が一の時に備えるための活動であって、事故や災害などが発生しない限り、これらの活動に費やした労力や費用は役に立たないという考え方によるものです。そのような認識のもとで BCM に取り組むのは難しいのではないかと思います。

ところが、BCM の成果を普段の商売に活かす方法があります。主な方法を以下に説明しますので、事故や災害などが発生しなくても価値を生み出す BCM を目指していただきたいと思います。

 

御社のセールスポイントとしてアピールする

もし御社が主に企業を相手に取引をしている、いわゆる B to B のビジネス形態であれば、御社における BCM の取組状況を顧客(および見込み客)にうまく説明できれば、これが御社のセールスポイントになる可能性があります。

特に最近は災害が頻発していることもあって、多くの企業が災害によってサプライヤーや業務委託先で事業中断が発生することを懸念しています。MS&AD インターリスク総研株式会社が国内上場企業を対象として実施したアンケート調査(注)によると、回答した企業の約 9 割が「サプライヤーが BCP を持つことは必要」だと回答しています。また回答した企業の約半数、製造業に限ると 8 割近くが、顧客から災害対策・BCP 整備に関連して何らかの要請をされたと回答しています。

したがって特に B to B の企業では、BCM に取り組んでいることが競合他社との間で差別化要因になる可能性があります。

もしかしたら読者の皆様の中には、「当社の BCM はまだまだレベルが低いから・・・」と躊躇する方がおられるかもしれません。しかし、完璧な BCM を実現できている企業など、まずありません。逆に、BCM に取り組み始めた企業すら少ない現状においては、取り組み始めただけでもアドバンテージになる可能性さえあります。BCP がまだ作成されていないとしても、「当社では社長を責任者として組織的に BCM に取り組んでいます」というような説明ができて、今後のロードマップを示すことができれば、顧客にとっては好印象です。

ぜひ営業部門や広報部門、マーケティング部門などとも協力して、御社における BCM への取り組みを売上アップや既存顧客との関係向上に役立ててください。売上に繋がる可能性が期待できれば、これらの部署からの協力も得られやすいのではないかと思います。

もちろん、その後の活動が続かなければ、逆にかなり印象が悪くなるリスクもありますので、頑張って活動を続けていただきたいと思います。

 

国際規格のネームバリューを利用する

前項で述べた、顧客に対する説明の中で、国際規格のネームバリューを利用することも一案です。これは特に海外の企業と取引がある企業にとっては有効な方法です。

BCM に関しては「ISO 22301」という国際規格があります。日本ではこれが和訳されて、日本産業規格「JIS Q 22301」となっています。この規格は世界中から BCM のエキスパートが集まって議論を重ね、彼らの持つノウハウや経験を反映させて作られたもので、世界各国で広く活用されています。

そこで、国際規格に書かれている基本的な部分を自社の BCM に採り入れ、社外に対して「当社は国際規格 ISO 22301 に基づいて BCM に取り組んでいます」と説明することができれば、BCM に関して決して場当たり的ではなく、組織的かつ計画的に取り組んでいるという印象を持ってもらえます。

しかしながら、規格に書かれている要求事項を全て実施するのは大変です。そこで、まずは以下に説明する 2 つのポイントを押さえることをお勧めします。

1 つめは用語の定義です。残念ながら日本では、「事業継続計画」、「訓練」、「演習」などといった基本的な用語に関しても、多様な定義が入り乱れているのが現状ですので、まず規格に記載されている用語の定義を確認し、正しい用語を使うようにしてください。

2 つめは活動全体の枠組みです。規格では BCM に必要な活動の全体像(別記事にて説明しています)が説明されています。これら全体をどのくらいのスケジュールで進めていくのか、大枠で構わないので計画を作り、経営層の承認を得て進めてください。

これら 2 つができていれば、社外に対して「当社は国際規格に基づいて BCM に取り組んでいる」と胸を張って言うことができます。

なお、この規格に書かれている要求事項を全て満たしていることを、外部の審査機関に確認してもらい、認証を取得できるという制度があるのですが、これは少々ハードルが高いと思います。したがって認証を取得するかどうかは、BCM の活動がある程度軌道に乗った後に検討されると良いと思います。

 

業務プロセスの効率アップに役立てる

BCM に欠かせない作業のひとつとして「事業影響度分析」があります。事業影響度分析においては、社内の業務プロセスや経営資源の状況を調べていきます。

ここで思わぬ副産物として、日常業務において改善すべき課題が見つかることがあります。

かつて筆者が担当させていただいた大手サービス業のお客様で、事業影響度分析のためのヒアリングを実施した時に、不思議な帳票が見つかったことがありました。複数の部署から業務プロセスのフローチャートを見せてもらい、前工程の部署と後工程の部署との連携を確認していたのですが、前工程で作成された帳票のうち、後工程で使われていないものが一つ見つかったのです。

最初はお客様も半信半疑だったのですが、よくよく調べてみると、後工程の業務改善で手続きが変わったという情報が、前工程の部署に伝わっていなかったことが分かりました。試しに前工程の部署で、その帳票の作成を止めて 1 ヶ月様子を見てみたのですが、業務に全く支障がないことが確認できたため、その帳票は正式に廃止されました。

事業影響度分析では、業務プロセスの最初から最後まで通して確認していきますので、日常業務の中では見落とされているような問題やムダが見つかる場合があります。このような成果が得られる可能性もあることを含めて、経営層や各部署の方々に説明していただくと、協力を得られやすくなるのではないでしょうか。

 

損害保険の見直しにつなげる

多くの企業で建物の火災保険などの損害保険を契約されていると思いますが、御社にとって現在の契約内容は十分でしょうか?また、逆に、手厚く保険をかけ過ぎているものはありませんか?

これまで保険会社や保険代理店から様々な損害保険を勧められたと思いますが、残念ながら御社にとって必要な保険と、保険会社が売りたい保険とが常に一致しているとは限りません。

事業影響度分析の中で、製品やサービスの優先順位や資源の状況などを調べていくと、事業継続という観点から考えて必要な損害保険と、現在の契約内容とのギャップが見えてくることがあります。もしそのようなギャップが見つかった場合は、それをもとに保険会社や保険代理店と相談することをお勧めします。結果として従来の保険で不十分だった部分がカバーされるようになったり、過剰にかけすぎていた部分を減らして保険料の支払額を削減できる可能性があります。

企業によっては BCM と損害保険とでは担当部署が別かもしれませんが、その場合でも部署間で協力しあって、BCM と損害保険との相乗効果を発揮できるような取り組みを目指してください。

 

(注)
MS&AD インターリスク総研株式会社(2019 年 2 月)『第 8 回 事業継続マネジメント(BCM)に関する日本企業の実態調査 報告書』 https://www.irric.co.jp/pdf/reason/research/bcm/bcm_8.pdf (アクセス日:2021 年 3 月 15 日)

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。是非拙書もお読みいただければ幸いです。

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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書籍紹介『見るみる BCP・事業継続マネジメント・ISO 22301』(深田博史・寺田和正)

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本書は恐らく、ISO 22301 の 2019 年版、およびその日本語訳である JIS Q 22301 の 2020 年版に準拠して書かれた最初の本ではないかと思います。

経歴を拝見したところ、著者のお二人はマネジメントシステム(および関連する規格)に関するスペシャリストのようです。同著者による「見るみる」シリーズとして、BCM 以外にも品質、環境、個人情報、食品安全衛生(HACCP)といったマネジメントシステムに関する書籍が、日本規格協会から出版されています。

本書はこのような、マネジメントシステムのスペシャリストが BCM の参考書を執筆されたことの意義や利点が、とても良い形であらわれていると思います。規格に準拠した形で書かれてはいますが、認証取得する/しないに関わらず、これから BCM に取り組み始める(もしくは既に取り組んでおられる)多くの方々に読んでいただきたいと思います。

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【書籍情報】

深田博史・寺田和正(2021)『見るみるBCP・事業継続マネジメント・ISO 22301: イラストとワークブックで事業継続計画の策定,運用,復旧,改善の要点を理解』日本規格協会

Amazon リンク

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私が思うに、本書の最も良いところは次のような点であり、これらはいずれもマネジメントシステムの使いこなし方を熟知しているからこそ実現できたのではないかと思います。

  • 用語の定義が正確で、国際規格に忠実である。
  • 継続的なマネジメント活動として取り組むことを前提として書かれている。特に、小さく始めて早めに成果を得てから対象範囲を拡大していくというアプローチが明記されている。
  • 日常業務の中で事業継続の観点から実施すべきことが、品質、環境、情報セキュリティ、労働安全衛生といった他のマネジメント領域と関連させて説明されている(しかも本の中で比較的最初の方で)。

私も仕事柄、BCM の参考書は多数見てきましたが、残念ながら上の 3 点が押さえられている本は非常に少ないです。

また、マネジメントシステムという観点とは異なりますが、事業継続に関連する資源や、演習プログラムに関する記述など、規格に忠実に書かれた結果として一貫性を保って整然と説明されている部分もあります。余談ですが、こういうところは下手に自己流で書こうとして、かえって分かりにくくなっている本も多いものです。

BCP を作るだけでなく、その実装として必要な活動についても触れられている点や、非常事態が発生した場合にまず BCP を被災状況に合わせて修正すべきであることが明記されている点も重要です。BCP の作り方に終始した参考書では、このような実務的な内容が書かれないこともあります。

本書が特にユニークなのは第 7 章で、言わば ISO 22301 の読み解き方の解説となっています。特に規格の箇条 4〜10 に関しては、もともと読みにくい文体で書かれている規格本文の内容が、こなれた文体で要約されていて、規格で言わんとしていることをザックリ掴みやすくなっています。もし認証取得を目指すならば、ちゃんと規格の原文(必要に応じて ISO の英文)を読み込んで、要求事項を正しく理解する必要がありますが、「認証取得は目指していないが規格に含まれているノウハウやエッセンスを採り入れたい」という方々にとっては、規格本文よりも本書の方が分かりやすくて便利かも知れません。

強いて本書の弱点を挙げるとすれば、事業影響度分析やリスクアセスメントに関する方法論が、あまり具体的に書かれていないことです、しかしながら、それは他の参考書などで補えばいい話です(そのうち自分自身でもそのような本を書こうとも思っていますが)。まずは本書で BCM の全体像を掴んで、体系的かつ組織的なマネジメント活動として取り組み、組織に定着させていくことを目指すことをお勧めしたいと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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事業継続には最初から継続的なマネジメント活動として取り組みましょう

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。

「BCP」と「BCM」

BCP とは「事業継続計画」の英語表記(Business Continuity Plan)の頭文字をとったものです。事故や災害などによる事業中断が発生した場合に、これに対応してどのように製品やサービスの提供を再開・継続させるかを文書化した計画書を BCP といいます。

ここで何となくお察しいただける方も多いと思いますが、そのような計画書があるだけでは事故や災害などに対する対応力は高まりません。まず BCP を作る前に、社内外の状況を把握・分析した上で自社の弱点を把握し、それらを踏まえて合理的な戦略を検討する必要があります。また BCP に書かれていることが実行可能かどうかを確認・検証する作業や、BCP の実行に関する教育訓練なども必要になります。このような活動全体の総称が「事業継続マネジメント」です。これは英語表記(Business Continuity Management)の頭文字をとって BCM と呼ばれています。

 

BCP は BCM の成果のひとつにすぎない

一般的に、BCM の活動は下の図のように整理されており、このような活動を時計回りに継続していく中で、事故や災害への対応力を段階的に高め、維持していきます。この中で BCP は、図の下側の「事業継続計画および手順」という段階で作成されますが、BCP もやはり継続的な BCM の活動の中で改善していきます。

ところで本稿にアクセスしていただいた皆様の中には、以前から「事業継続計画」または「BCP」という言葉をご存知だった方もおられると思いますが、そのような方々でも「事業継続マネジメント」または「BCM」という言葉に聞き馴染みのあった方は少ないかも知れません。どういう訳か、日本では特に BCP ばかりが注目される傾向があり、まず BCP を作ってから、BCP に基づく訓練や BCP の見直し・改善に取り組むという考え方が一般的です。しかしながら、まず BCM としての活動に取り組み、その活動の結果として BCP ができるというのが本来の考え方であり、なおかつ理にかなっています。BCP を作ることばかりが重視されるのは、筆者の知る限り日本だけです。

特に中小企業の皆様におかれましては、「とりあえず BCP を作ろう」と考えるよりも、以上のような考え方をご理解いただいた上で、最初から BCM の活動に継続的に取り組むことを考えていただきたいと思います。それは後述する理由から、その方が合理的であり、かつ難易度も低くなるからです。

 

無理のないペースで BCM に取り組み始めることが大事

BCM に継続的に取り組むという前提で最初から取り組んでいれば、最初に作った BCP の内容の出来が悪くても、割り切って先に進みやすくなります。初版の BCP に足りない部分は、BCM のサイクルを 2 周、3 周と回していく間に改善していければ良いからです。誤解を恐れずに申し上げれば、立派な BCP を作るよりも、まず BCM のサイクルを一周して、これらの活動をひととおり経験することの方が重要です。

ところが、このような考え方を持たずに「まず BCP を作ろう」とする場合、最初からある程度のレベルの BCP を作らねばならないと思いがちです。その結果、最初の BCP ができる前に途中で挫折してしまったり、できたとしても多大な時間を要して息切れしてしまったりして、その後の演習や改善などに手が回らなくなるということが(大企業においても)少なくありません。筆者は残念ながら、そういう例を数多く見てきました。

あえて極論を申し上げれば、立派な BCP が出来ていながら演習などを一度も実施していない企業と、BCP は貧弱だが BCM の活動を 2 周、3 周と積み重ねてきた企業とであれば、後者のほうが事故や災害に対して高い対応力が期待できます。このような考え方のもと、いきなり立派な BCP を作ろうと考えずに、いかに無理なく BCM の活動を継続させるかを最初から考え、その中で対応力を徐々に高めていっていただきたいと思います。

 

BCM の担当部署を決める

企業において、BCM を継続的なマネジメント活動として実施するためには、最初に BCM の担当部署を決める必要があります。では、どの部署が BCM を担当すべきなのでしょうか?

日本では地震や風水害などの自然現象による災害が多発するということもあって、ほとんどの企業で防災を担当する部署か、もしくは担当者が決まっていると思います。中には「名前だけ」、「形だけ」という企業もあるかもしれませんが、たとえ形式的であったとしても、企業に「防災担当」が必要であることは広く認識されているのではないでしょうか。そして、多くの企業において総務部門が防災を担当しています。

ところが BCM は防災に比べて新しい概念ですので、まだそこまで認識が広まっておらず、どの部署が BCM を担当すべきかという問題に関して、定まった共通認識はありません。したがって企業が初めて BCM に取り組み始めるとき、複数の部署の間でどちらが担当するか、お互いに押し付け合いになることも珍しくありません。

日本企業における実態としては、BCM が防災の延長線上にあると認識されていることから、防災と BCM との両方を総務部門で担当されることが多いようです。しかしながら、BCM は「製品やサービスの提供」を中心に考えていくため、経営企画部門や事業部門に BCM を担当させている企業もあります。また IT への依存度が高い企業であれば、情報システム部門が中心となって BCM に取り組まれる場合もあります。大企業では独立した BCM 担当部署を設ける場合もありますし、逆に中小企業では社長自ら取り組まれることもあります。

この問題に関して正解はありません。最も大事なのは、とにかく最初に担当部署を決めることです。担当部署を決めて BCM の活動を始めてみて、もし何か不都合があったら後から変えればいいのです。次に大事なのは、経営層がこれを承認してサポートし、BCM の活動の状況やその成果に対して、経営層が主体的に関与することです。

最悪なのは担当部署を明確に決めずに始めることです。私が聞き及んだ範囲でも、BCM の担当部署が決まっていないのに、半ばコンサルタントに丸投げするような形で BCP が作られたという事例がありました。BCP が出来上がって納品されたにも関わらず、それを引き取る部署が決まらず、しまいには発注時の担当者が全く別の部署に異動してしまったために、せっかく作られた BCP が活用されることはなかったそうです。このような事態を避けるためにも、まず最初に BCM の担当部署を決めてください。

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。是非拙書もお読みいただければ幸いです。

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「防災」と BCM との関係を整理しておきましょう

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。

当サイトにアクセスしてくださった皆様の中には、企業などで防災(もしくは災害対策)と事業継続マネジメント(BCM)の両方を担当されている方も少なくないでしょう。これまでの筆者のコンサルティングの経験においても、お客様側のご担当者の多くはこれらの両方を担当されていた方が多かったと思います。そのような事情もあってか、防災と BCM とが混同される場面が少なくありません。

もちろん地震や豪雨などの自然現象による災害が頻発している日本においては、このような災害に起因する事業中断に備えることは絶対条件ですので、防災と BCM を切り離して考えることはできません。しかしながら BCM に取り組む際には、防災とは異なる考え方やアプローチが必要になりますので、ここで防災と BCM との関係を整理しておきたいと思います。

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BCM では「製品やサービスの提供」を中心に考える

まず最初に、言葉の意味をあらためて確認しておきたいと思います。

一般的に「防災」とは、災害による被害を防ぐための取り組み全般を指す言葉です。近年は巨大災害による被害を完全に無くすことは出来ないという認識から「減災」という言葉が使われることもありますが、基本的にはこれも防災と同じ意味だと考えて差し支えありません。ここで、災害によって企業に発生する「被害」には、死者や負傷者といった人的被害や、建物や設備、商品、資材などの損壊といった様々な物的被害などが含まれます

これに対して BCM は、企業が災害や事故などに直面して事業活動が中断されてしまった際に、製品やサービスの提供を再開・継続するための能力を、必要なレベルに維持向上させるための活動を指します。

これらの間で最も大きな違いは、BCM が企業の「製品やサービスの提供」に関する取り組みであるという点です。別の記事で述べた BCP の説明にも、「製品やサービスの提供」という言葉が含まれていたことを再確認していただければと思います。

もし仮に、ある企業の工場での生産活動が 1 ヶ月止まったとすると、本来得られるはずだった 1 ヶ月分の売上が得られなくなります。これは災害発生直後だけでなく、事業活動が中断する期間の長さに応じて継続的に発生する被害と言えます。

事業中断による被害は売上だけではありません。工場からの出荷が遅れることによって顧客に迷惑がかかり、取引上の信頼関係が損なわれることもあります。場合によっては顧客が競合他社に乗り換えることにもなりかねません。また事業中断が長期化した結果、企業のイメージダウンに繋がる可能性もあります。このような被害は事業中断が長引くほど深刻になっていきますので、BCM においては事業中断をいかに短くするか、悪影響をいかに小さく抑えるかを考えていきます。

 

防災は義務、BCM は企業自らの意思で取り組む

全ての企業は従業員の安全を確保する責任を負っています(法律用語では「安全配慮義務」といいます)。したがって地震や豪雨などの自然現象や、火災や爆発などといったリスクから従業員を守るために、必要な措置を講じなければなりません。これは必ずしも「あらゆる災害に対して従業員の安全を 100% 保証しなければならない」ということではありませんが、全ての企業は従業員の命を守るために、一定程度の防災に取り組まなければならないことを意味します。

一方で BCM においては、どのくらいのレベルの対策が必要かは各企業が自ら決めるのが原則です。具体的には別途何らかの形で解説させていただきたいと思っていますが、前に述べたような様々な被害(売上、取引上の信頼関係、顧客の喪失、企業のイメージなど)が発生する可能性や影響の大きさなどを考慮して、事業継続の観点でどのくらいのレベルの対策が必要かを見極めていきます。このような見極めが、BCM に要領よく取り組むためのキモになります。

 

BCM では経営層の主体的な関与が必要

BCM では、経営層の主体的な関与が絶対に必要です。

もちろん防災に関しても、最終的には経営層が責任を持って取り組んでいく必要がありますが、防災と BCM とでは、経営層に求められる役割が大きく異なります

前に述べたとおり、全ての企業は従業員の安全を確保するために防災に取り組む必要があります。また、従業員の安全を確保することだけを考えれば、防災にかける予算は多いに越したことはありません。もちろん実際には利益の確保との兼ね合いで予算枠が決まりますが、経営層は防災のための予算の確保に対して最終的な責任を負い、かつ全ての従業員が防災活動に積極的に取り組むようリーダーシップを示し、さらに実際に災害が発生した場合は、災害対応における指揮統制という重要な役割を担うことになります。

これらは BCM においても同様ですが、BCM ではこれらに加えて、経営層でなければ判断できない重要な選択を迫られる場面が度々発生します。

例えばある企業で、工場の生産能力などの制約から、顧客 A と顧客 B(いずれも重要顧客)の両方に対して同じように納品することができなくなるとします。このような場合、「顧客 A への納品を優先するために、顧客 B への納品を一定期間止める」というような判断が必要になるかも知れません。

顧客 A のためにはこのような判断が必要だとしても、結果的にはもう一つの重要顧客 B に多大な迷惑をかけることになります。場合によってはこれが原因で、顧客 B との取引が終わってしまうかもしれません。このような重大な結果を招きかねない判断を、生産部門や営業部門に任せることはできないでしょう。

BCM ではこのように、会社全体としての利益のために、部分的な(しかも重大な)不利益を受け入れるような判断が求められることがあります。このような判断を経営層が適切に行い、その結果に対して経営層が責任を負わなければならないため、BCM には経営層が主体的に関与する必要があるのです。

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。是非拙書もお読みいただければ幸いです。

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「事業継続マネジメント(BCM)は中小企業には難しい」というのは誤解です

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。

これまでのコンサルタントとしての経験の中で、中小企業の方々と事業継続マネジメントに関するお話をする機会が数多くありましたが、そのような場で「大企業のように人もお金も余裕のない中小企業にとっては、BCM に取り組むのは難しい」という声をよく聞きます。

ところが、これには典型的な誤解が 2 つ含まれています。

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大企業には BCP に取り組む余裕がある?

1 つめの誤解は、「大企業には BCM に取り組む余裕がある」という点です。確かに大企業は多数の従業員を抱えていますが、一般的に企業としては収益を生む業務により多くの人員を投入したいため、総務や人事、経理などのいわゆる間接部門は非常に少ない人数で回している企業が多いものです。そのような状況では、BCM に関連する業務のために割ける人数も限定的になります。

私自身がこれまでにコンサルティングで関わってきた大企業でも、お客様側のご担当者はほぼ例外なく、他の業務のために多忙な中で BCM に取り組んでおられました。これはお金に関しても同様で、BCM のために十分な予算を確保しておられる企業は決して多くありません。

実は中小企業のほうが有利なこともある

2 つめの誤解は、「中小企業が BCP を作ることは大企業に比べて難しい」と思われている点です。実際は全く逆で、BCP を作るためのプロセスにおいては、大企業の方が作業量も多くなりますし難易度も高くなります。

詳しくは別の記事として後日まとめたいと思いますが、BCP を作るためには自社の製品またはサービスの提供が中断した場合の影響度合いを分析したり、事業再開における優先順位を決めたりする必要があります。また重要な経営資源に対するリスクアセスメントも必要です。大企業でこれらを実施する場合、多くの部署から様々な情報を集めて分析したり、意見を聞いたり、場合によっては部門間での調整が必要になったりするため、企業の規模などによっては数ヵ月かかることも珍しくありません。

一方で事業内容がシンプルな中小企業であれば、経営者を中心に主要なメンバーが集まって議論すれば、非常に短期間でこれらを済ませることができます。私自身の経験でも、前述のプロセスを 1 日で完了できた例が何度もあります。この点においてはむしろ中小企業の方が有利なのです。

なお、どこかから BCP の雛形を入手し、適当に自社の情報を書き込んで、とりあえず形式的にでも BCP を作ってしまうという方法もあります(そんないい加減な方法を勧めるのはいかがなものか?というご意見もあろうかと思いますが、この点については後日、別の記事で述べたいと思います)。この場合、前述のようなプロセスは必要ありませんので、BCP 作成の作業量や難易度は大企業でも中小企業でも同じです。しかしながら、大企業の経営層がこのような形式だけの文書を承認してくれるとは考えにくいので、このような観点からも中小企業の方が BCP を作りやすいと言えます。

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特に中小企業の皆様におかれましては、このような誤解を払拭していただき、できるところから少しずつでも BCM に取り組んでいただければと思います。

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本稿は、拙書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)の一部に手を加えたものです。是非拙書もお読みいただければ幸いです。


合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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リスク対策.PRO セミナー「オールハザードアプローチ ~さまざまな脅威に対処できる BCP のあり方を考える~」

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本日は新建新聞社様が主催されている「リスク対策.PRO 会員向けセミナー』にて講師を担当させていただきました。

今回は「オールハザードアプローチ ~さまざまな脅威に対処できる BCP のあり方を考える~」というテーマでしたので、次のような内容の説明をさせていただきました。

  • 「ハザード」と「災害」(用語の意味と使い分け)
  • 「オールハザード」と「マルチハザード」
  • 政府の防災基本計画や自治体の地域防災計画はマルチハザードか?
  • 事業継続計画(BCP)はもともとオールハザード・アプローチ
  • 様々なハザードに対応するための緊急事態対応体制(Incident Command System を参照しながら説明)

私から 30 分程度説明させていただいた後、リスク対策.com 編集長の中澤さんの質問にお答えする形で、実務面での留意点などに関しても解説させていただきました。

今後もこのような機会を通して、事業継続に関する知識やノウハウの普及啓発を図っていきたいと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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Kenja(株)Web セミナーの動画が公開されました

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去る 7 月 30 日に開催されました「Kenja BCP WEB セミナーシリーズ」第 4 回『企業レジリエンス向上!BCP作成/運用3アプローチ』の動画が公開されました。

下のリンクからご覧いただければ幸いです。

https://youtu.be/lJZfT1EZ4II

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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note> BCP を「ISO 規格と同じように作らなければいけない」という誤解がいまだにある

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当サイトにアクセスされた方であれば、事業継続マネジメント(BCM)に関する国際規格として「ISO 22301」という規格があるのをご存じの方も多いと思いますが、この規格に関して重大な誤解をされている方がおられるようなので、少しでもそのような誤解を解消していければと思って文章にまとめてみました。下記リンク先よりお読みいただければ幸いです。

note: BCP を「ISO 規格と同じように作らなければいけない」という誤解がいまだにある
https://office-src.biz/2E46An2

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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