今日は新建新聞社(リスク対策.com)主催の「危機管理塾」に参加してきました。
この「危機管理塾」はもともと「防災や BCP、リスクマネジメントに取り組んでいる組織の担当者、有識者らを講師に招き、教育や訓練、研究に関する実践的な活動を発表いただくとともに、参加者の意見交換などを通じて、平時から相談しあえる危機管理コミュニティの創造を目指します」という趣旨で開催されている勉強会です(カギカッコ内は新建新聞社 Web サイトより引用)。
今回は『アクサのBCP ー北海道地震、台風19号への対応ー』というタイトルで、アクサ生命保険株式会社の BCP&DR マネージャー様が、同社における BCM や災害対策、昨年の北海道地震、今年の台風 19 号への対応内容などについて、現在のお取り組み状況やご経験を積極的に共有してくださいました。
同社の取り組み状況や北海道地震への対応については、既に「リスク対策.com」Web サイトに記事として掲載されていますので、ある程度は知っていましたが、今回は今年の台風への対応も含めて、記事になっていない話をいろいろお伺いすることができ、大変有意義でした。
私自身が特に重要なポイントだったと思ったところは次の通りです。
BCP に関連する年間のアクティビティが計画的に実施されている
講演の中で BCP に関連するアクティビティの年間計画を共有してくださいました。これには防災対策や BCMS の認証維持のための活動はもとより、演習やテスト、教育・トレーニングなど多様な活動が組み込まれており、組織的かつ計画的な活動として定着していることがよく分かりました。
従業員教育が体系的に実施されている
前述のアクティビティの中で、特に教育・トレーニングに関しては、階層別の教育体系が整理され、計画的に実施されていました。
災害対応におけるロジスティクスが詳細に検討されている
同社では東京本社が災害などによって業務遂行できなくなった場合には、札幌本社で事業継続を図ることになっており、その際には 100 人程度の人員が東京から札幌に移動することが想定されているそうですが、これらの人員の移動ルート・手段や札幌における仮住まいなども含めて、ロジスティクスが詳細に検討され、準備されていました。
もちろん、同社の取り組みの中には大企業ならではという部分もあり、同じような取り組みをできる企業はかなり限られると思います。しかしながら、(物量的な部分はさておき)考え方やアプローチに関しては、たとえ中小企業であっても取り入れられる部分があるのではないかと思います。このような、せっかく共有していただいた事例からいかに学び、これから起こり得る災害や事業中断に備えていくか、お客様とともに考えていきたいと思います。