寄稿> 津波に被災した地域コミュニティーのレジリエンスを評価した事例

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 126 回:津波に被災した地域コミュニティーのレジリエンスを評価した事例
Sari 他 / Measuring Community Resilience to the Tsunami Disaster

2018 年 12 月 22 日にインドネシアで発生したスンダ海峡津波で被災した地域において、The Integrated Concept of Community Resilience(略称 ICRR)と呼ばれる手法に基づいて、地域コミュニティーのレジリエンスを評価した事例です。

この手法においては、コミュニティのレジリエンスを次の 3 つの観点から評価するようになっています。

  • 社会的、文化的、経済的資本(social, cultural and economical capital)
  • 災害リスクに関するガバナンス(disaster risk governance)
  • 災害を考慮した空間計画(disaster-based spatial planning)

私自身はこれらのうち、特に「災害を考慮した空間計画」が含まれていることが興味深いと思いました。国連防災機関(UNDRR)がこれまでに発行してきた「Global Assessment Report」(略称GAR)でも、自然ハザードに対して脆弱な地域における対策を強化することや、自然ハザードへの暴露(exposure)を増やすような投資を減らすことなど、空間計画において災害リスク低減を考慮することの重要性が繰り返し喚起されており、このような観点は今後ますます注目されるものと思われます。

 

下記リンクからお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/37qyYKN

 


(Scenes from a beach in Banten after tsunami struck / Photo by Indonesian National Armed Forces / https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=75277135 )

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> サプライチェーン・レジリエンスの概念的フレームワーク

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 125 回:サプライチェーン・レジリエンスの概念的フレームワーク
Ponomarov 他 / Understanding the concept of supply chain resilience

生態学、社会学、心理学、経済学といった幅広い分野を対象とした文献レビューの結果を踏まえて、レジリエンスがどのようにとらえられ、定義されているか概観した上で、物流に関する能力とサプライチェーン・レジリエンスとの関係に関する概念的フレームワーク(conceptual framework of the relationship between logistic capabilities and supply chain resilience)を提案している論文です。

これは 2009 年に発表された論文で、これ以降のサプライチェーンのレジリエンスに関する多くの論文から参照されていますので、多くの研究者に影響を与えた論文と言えるかと思います。

下記リンクからお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/39dMbsY

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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リスク対策.PRO セミナー「オールハザードアプローチ ~さまざまな脅威に対処できる BCP のあり方を考える~」

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本日は新建新聞社様が主催されている「リスク対策.PRO 会員向けセミナー』にて講師を担当させていただきました。

今回は「オールハザードアプローチ ~さまざまな脅威に対処できる BCP のあり方を考える~」というテーマでしたので、次のような内容の説明をさせていただきました。

  • 「ハザード」と「災害」(用語の意味と使い分け)
  • 「オールハザード」と「マルチハザード」
  • 政府の防災基本計画や自治体の地域防災計画はマルチハザードか?
  • 事業継続計画(BCP)はもともとオールハザード・アプローチ
  • 様々なハザードに対応するための緊急事態対応体制(Incident Command System を参照しながら説明)

私から 30 分程度説明させていただいた後、リスク対策.com 編集長の中澤さんの質問にお答えする形で、実務面での留意点などに関しても解説させていただきました。

今後もこのような機会を通して、事業継続に関する知識やノウハウの普及啓発を図っていきたいと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> 企業のレジリエンスを評価するための枠組みの一例

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 124 回:企業のレジリエンスを評価するための枠組みの一例
Sanchis 他 / Definition of a framework to support strategic decisions to improve Enterprise Resilience

企業のレジリエンスを評価・測定するためのフレームワークを、a)脆弱性(vulnerability)、b)適応する能力(adaptative capacity)、c)復旧する能力(recovery ability)という 3 つの特性に基づいて提案されている論文を紹介しています。2013 年に発表された論文です。

この論文では、企業のレジリエンスに関連する過去の論文の内容から前述の 3 つの特性が見いだされていますが、一方でこれら 3 つの特性の全てがカバーされている論文が少ないことも指摘されています。このような問題意識に基づいて、この論文で提案されているフレームワークは、これらの 3 つの特性を全て網羅的に検討するように構成されています。

下記リンクからお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/3lG67s3

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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YouTube> BCI World Virtual 2020 が期待以上に有意義だった

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YouTube の『事業継続マネジメントについて語りつくすチャンネル』に新しい動画をアップロードしました。

第 12 回: BCI World Virtual 2020 が期待以上に有意義だった

BCI が毎年 11 月に開催している「BCI World Conference and Exhibition」が、今年は新型コロナウイルスの影響で、場所を Web サイト上の仮想会場に移して「BCI World Virtual」として開催されました。

BCI World Virtual 2020 (BCI の Web サイト)
https://www.thebci.org/event-detail/event-calendar/bci-world-conference-2020.html

今回の動画では 11 月 5〜6 日にこの「BCI World Virtual」に参加した感想などについて語っております。

《参考》

下記の「BCI 日本支部定例会」にて、もう少し詳しく報告させていただく予定ですので、ご興味がありましたら、ご参加いただければ幸いです。
(BCI 会員でなくても参加できます。)

【BCI 日本支部 2020 年度第 4 回定例会】
日時: 11月27日(金) 15:00 – 16:00
参加費: 無料
会場: オンライン(Webinar)のみ
参加申込締め切り: 11月24日(火)

詳細および参加方法につきましては下記 URL をご参照ください。
https://www.thebci.org/event-detail/event-calendar/bci-japan-chapter-virtual-meeting.html

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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寄稿> 欧州ネットワーク・情報セキュリティー機関による年次報告書

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リスク対策.com Web サイトに連載記事を掲載していただきました。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】
第 123 回:欧州ネットワーク・情報セキュリティー機関による年次報告書
ENISA Threat Landscape

欧州ネットワーク・情報セキュリティー機関(ENISA)が 2012 年から毎年発表している、サイバーセキュリティーに関する最新動向や提言などがまとめられたレポートをご紹介しています。

こちらのレポートの特色の一つは、Cyber Threat Intelligence(CTI)(サイバー攻撃に関する情報収集・蓄積・分析を行ってセキュリティー対策に役立てること)の活動のあり方に関する提言が多く含まれていることです。私自身もこれまでサイバーセキュリティに関するレポートは多数読んできましたので、これらの裏で様々な CTI 活動が行われていることは知っていましたが、CTI の活動そのものに関して具体的に言及されたレポートは初めてです。

私自身の主観ではありますが、日本の事業継続関係者の間では、サイバーセキュリティが話題に上ることが外国に比べて少ないと思いますので、このような分野にも関心を持っていただければと思います。

下記リンクからお読みいただければ幸いです。
https://office-src.biz/32xyNfe

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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いよいよ明日から BCI World Virtual 2020

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BCI が毎年恒例で開催している「BCI World Conference and Exhibition」が、新型コロナウイルスの影響で今年はオンラインでの開催となりました。

いよいよ開催前日となったので、ログインしてプロフィール設定をしてみました。

下のように仮想イベント会場が作られており、大口スポンサーのロゴが並んでいます。左上のスクリーンには会長の Tim Janes のあいさつが動画で流れています。

会場をひととおり回ってみましたが、オンラインという制約の中でも参加者同士がインフォーマルな交流の機会を持てるよう、いろいろ工夫されています。開催時間が 14:00 から 7:00 までなので、明日から 2 日間は欧州時間を中心に生活することになりますが、できるだけ多くのセッションに参加してみたいと思います。

もっとも、今後 3 ヶ月間くらいはオンデマンドで見られるようなので、無理して全部ライブで見ようとは思っておりませんが、質問やディスカッションが盛り上がりそうなセッションは、できるだけライブで参加するつもりです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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書籍紹介『新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書』(一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ)

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数年前から私の周りで「After Action Review」(AAR)の重要性が話題に上ることが増えてきたように思います。AAR という用語を使わないとしても、緊急事態対応に関する事後のふりかえりや検証の結果を今後に生かすべきであることや、日本でそのような検証があまり積極的に行われていないのではないか、という議論が随分増えてきました。

特に政府の新型コロナウイルス対応に関しても、まだ完全収束してはいないものの、第一波をとりあえず乗り切って若干落ち着いたところで、政府の対応内容に関して AAR を行い、その結果を第二波への備えに生かすべきではないのか?という意見が聞かれるようになりました。この点については私自身もそう思っています。

例えば 10 月 23 日に東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展(RISCON)2020」で 15:00 から行われた『事例から学ぶ「検証」の重要性』というセッションでも、リスク対策.com 編集長の中澤さんは、雑誌『リスク対策.com2010 年 7 月 25 日号で新型インフルエンザ対応の記録をいかに残すか、という主旨の特集を組んだことに触れ、果たして当時の経験から得られた教訓は(政府に限らず企業などでも)生かされているのか?今のうちに新型コロナウイルス対応に関する検証を行っておくべきではないのか?といった問題提起をされていました。

このような話を聞いて、そのとおりだと思いつつ、現在の政府がこれまでの対応を検証する可能性は低そうだなと思っていたら、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブが独自に検証作業に取り組んでおられ、それが書籍として出版されていることを知ったので、早速購入しました。

【書籍情報】

一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(2020)『新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書』ディスカヴァー・トゥエンティワン(Discover21)

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本書では日本で最初の感染者が確認された 2020 年 1 月 15 日ごろから、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2020」が閣議決定される 7 月 17 日ごろまでを対象として、政府の対応状況に関する検証が行われています。

ヒアリングやインタビューは当時の首相や官房長官、厚生労働大臣、新型コロナウイルス感染症対策担当大臣などといった主要閣僚や、専門家会議・諮問委員会・分科会メンバー、厚生労働省や経済産業省などの関係者、自治体や保健所など、83 名もの方々に対して実施されています。専門家会議や政府関係者などからのコメントの多くは匿名となっていますが、当時の意思決定のプロセスや活動状況などに関する説明やふり返りなどが具体的に記述されています。コメントの中には現場の本音と思われるような発言も多く、ヒアリングやインタビューが細心の注意を払って効果的に行われたという印象を受けました。

検証の対象も多岐にわたっています。本書の第 2 部「新型コロナウイルス感染症に対する日本政府の対応」に含まれる各章のタイトルは次のようになっており、これら各章において、インタビューやヒアリングで得られたコメントや各種資料に基づいて、事実関係が整理されています。

第1章 ダイヤモンド・プリンセス号
第2章 武漢からの邦人救出と水際対策強化
第3章 専門家の参画と初期の行動変容政策(3密と一斉休校)
第4章 緊急事態宣言とソフトロックダウン
第5章 緊急事態宣言解除
第6章 経済対策
第7章 PCR等検査
第8章 治療薬・ワクチン
第9章 国境管理(国際的な人の往来再開)

ひとくちに「新型コロナウイルス対応」と言っても実際には多数のプロジェクトが同時並行で進んでいた様子が、あらためてよく分かります。

ひととおり読み終えた感想として、本書は闇雲に政府の対応を批判するのではなく、かといって安易に擁護する訳でもなく、(私が申し上げるのもおこがましいですが)中立な立場で、当事者から適度な距離感をもって検証されているという印象を受けました。本書の最後(特別インタビューの直前)に次のような一節がありますが、このような姿勢が検証作業を通して貫かれていたからこそ、事実関係が周到に確認され、多面的な検証が実現されたのだろうと思います。

安易な総括は、安易な前例主義を生み、次の危機対応を危うくしかねない。政府の採った多くの対応は、与えられた制約条件のもとで関係者が知恵を振り絞って導きだされた答えである。そうした前提を含めて今回の対応の一つ一つを丁寧に分析し、評価し、その射程を見定め、教訓を次の危機に活かすことこそが、この検証の意義であると考える。

私自身を含めて一般の方々がこのような大規模な検証作業に関わる機会は少ないと思われますが、企業や自治体などで、自分自身が関わった緊急事態対応に関する事後検証を行うことはあるかもしれません。本書はそのような検証作業を行う際の手本としても、価値があるのではないかと思います。

私は kindle 版で購入したので物理的なボリューム感が分かりませんが、紙媒体だと 466 ページもあるそうです。安っぽい表現で恐縮ですが、多大な労力をかけて検証された結果をたったの 2,475 円(紙媒体だと 2,750 円)で読ませていただけて、大変ありがたいと思っています。しかも 7 月中旬までの対応内容が 10 月 18 日に発行されているという作業期間の短さを考えると、検証に関わった委員の方々やワーキンググループのメンバーをはじめ、出版社も含めて多くの方々が大変な努力をされたものと思います。

単なる読者である私が申し上げるのも変ですが、この努力の成果が第二波以降の対応に活かされることを切に願っています。

– – – – – – – – –

ちなみに私が本書の存在を知ったきっかけは、「リスク対策.com」主催の「危機管理カンファレンス 2020 秋オンライン」の第 1 日目で、本書のために組織されたワーキンググループの一人である蛭間芳樹氏の講演を聴講したことでした。「リスク対策.com」からはいつも新しい情報や気づきをいただいており、大変感謝しています。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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危機管理能力と事態対応能力とは別(元航空自衛隊空将の講演より)

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東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展(RISCON)2020」で、10/23(金)の 12 時より、元航空自衛隊空将の山田真史さんの講演を聴講させていただきました。

特に指揮官の責務という観点からいろいろなお話がありましたが、やはり自衛隊で司令官を務めておられた方の話には重みがあります。

特に印象に残ったのは、「危機管理能力と事態対応能力は別物だ」ということでした。

個人的な見解としてではありますが、山田さんによると「事態対応能力」とは、発生した事態に対して情報収集と分析を行い、必要に応じて計画を修正し、命令を実行し、成果分析や情報発信を行うという一連の活動を通して事態を終着点に導く能力で、これに対して「危機管理能力」とは、事態に対する計画立案と予防措置ができる能力との事でした。

私自身はあまりこのように区別して考えたことはありませんでしたが、とても説得力があり、腑に落ちました。企業であれば、どちらかというと危機管理能力は経営層や上級管理職層、事態対応能力はより現場に近い実務レベルに求められる能力だと思いました。

 

私自身も、自衛隊を退職された後に、自治体の危機管理鑑や企業の危機管理担当などとして活躍されている方々と一緒に仕事をさせていただいた経験が何度かあり、そのような方々から私自身も学ばせていただきました。自衛隊でのノウハウや経験を生かして、自治体や企業で働く方が増え、そのような方々から危機管理、緊急事態対応、災害対応等に関するノウハウや心構えを学ぶ人が増えることが、社会全体の対応力を引き上げていくことになるのではないでしょうか。

これからも多くの退職自衛隊の皆様に、様々なフィールドで活躍していただきたいと思います。

 

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「10 年後の危機管理担当者が困らないために」

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10 月 23 日に東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展(RISCON)2020」におけるセッションのひとつ『事例から学ぶ「検証」の重要性』で、リスク対策.com 編集長の中澤さんが、かつて雑誌『リスク対策.com』で新型インフルエンザ対応の記録をいかに残すか、という主旨の特集を組んだことに触れておられたので、久しぶりに本棚から引っ張り出してみました。

こちらがその雑誌です。2010 年 7 月 25 日号(Vol. 20)で、なんと特集のタイトルが「10 年後の危機管理担当者が困らないために」でした。

中澤編集長の予言が的中した!と申し上げるつもりはありませんが、活動の記録や、事後検証(After Action Review)の重要性を再認識するためにも良い内容だと思います。お持ちの方はあらためて読み返してみてはいかがでしょうか。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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