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BCI 機関誌『Continuity & Resilience』2019 年第 4 四半期号発行

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BCI の機関誌『Continuity & Resilience』の、2019 年第 4 四半期号が 12 月 18 日に発行されました。下記 URL からダウンロードできます(BCI 会員は無料/非会員は年間 15 ポンド)。

Continuity & Resilience Magazine
https://www.thebci.org/knowledge/continuity-resilience.html

今回はこんな表紙なので、何かの間違いかと思いました (^_^; 。

小さくて分かりにくいかと思いますが、中央に「__You’ve been hacked__」と書いてあります。32 ページからランサムウェアに関する記事があるのと、最近 BCI からサイバーセキュリティに関するシミュレーションゲーム「Purple Day」が公開されたので、それにちなんでいるのでしょう。

目次の内容をざっくりご紹介します。世界的な BCM 業界でどのような話題に興味を持たれているかがわかるので、ご一読をお勧めします。

【特集記事】

  • Mastercard 社の「Fusion center」(緊急事態対応センター)の紹介
  • 事業継続/レジリエンス分野で活躍する人材のダイバーシティ
  • 実践者の紹介:英国陸軍出身で現在はアブダビの石油会社で ERM 部門長を務めている Tony Thornton 氏
  • ランサムウェア対策

【その他の記事】

  • 議論:事業継続/レジリエンス分野における AI の役割
  • 次世代人材の紹介:Deloitte 社の Emily Morton 氏
  • 業界や新製品のニュース
  • BCI からのお知らせ    …..など

人材のダイバーシティに関する特集に 7 ページも割かれているのは注目に値します。BCI では 2019 年 2 月から「Women in Resilience」という活動がスタートし、11 月に開催された BCI World Conference and Exhibition 2019 でも、Women in Resilience のセッションで非常に活発な議論がありました。BCI としても今後注力するテーマなのではないかと思います。

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千葉銀行、京葉銀行、千葉興業銀行が「ちば災害復興支援ファンド」(仮称)を準備中

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千葉銀行、京葉銀行、千葉興業銀行の3行が、今年の台風 15 号、19 号、21 号で被災した企業を支援するために、「ちば災害復興支援ファンド」の設立を準備中であることを発表しました。各行からの公式リリースは次の通りです(当然ながら全て内容は全く同じです)。

現状は「設立に向けた具体的な検討を開始しました」という慎重な表現にはなっていますが、3 行から正式にアナウンスされたということは、おそらく実現の可能性は高いのだろうと思います。

組成規模は 5 億円で、2020 年 1 月の設立を目指しているとの事です。復旧費用や運転資金などで困っている企業はまだまだ多いと思いますので、ぜひ実現していただきたいと思います。

一般的に、災害による直接的な被害や事業中断による間接的な被害(機会損失を含む)に対して、財務面の対策を事前に準備しておくのは、一般企業にとっては容易ではありません。したがってこのような形で事後に支援策が提供されるか、それをうまく活用できるかどうかが非常に重要になります。今後各地で起こるであろう様々な大規模災害に対しても、このような支援策が迅速に検討され、提供されることを期待したいと思います。

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成田空港が事業継続計画(BCP)を策定

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成田空港が事業継続計画(BCP)を策定したことが 2019 年 11 月 28 日に発表されました。

成田空港プレスリリース: 成田国際空港 BCP を策定しました
https://www.naa.jp/jp/20191128-naritaairportBCP.pdf

また BCP の概要版が下記 URL に掲載されています。
https://www.naa.jp/jp/airport/pdf/nrt_bcp.pdf

内容をざっと見た限りでは、国土交通省から先日発表された空港 BCP ガイドライン案の内容は反映されていないようですので、ガイドラインが正式版になった際には、これに準拠する形で再度更新されるかもしれません。

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国土交通省が空港向け BCP『A2-BCP』ガイドライン案を公表

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《国土交通省が空港向けの BCP ガイドラインとして、 『A2-BCP』ガイドライン案を 2019 年 11 月 15 日に公表しました。発表資料は次のとおりです。

国土交通省: 「A2-BCP」 ガイドライン(案)を公表します ~ 自然災害に強い空港を目指して ~
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku09_hh_000143.html

(URL が変わるかも知れないので勝手ながら魚拓を取らせていただきました。 —> https://megalodon.jp/2019-1227-1446-06/https://www.mlit.go.jp:443/report/press/kouku09_hh_000143.html

 

「A2-BCP」というのは「Advanced/Airport – BCP」の略だそうで、同年 4 月 10 日に発表された『災害多発時代に備えよ!!~空港における「統括的災害マネジメント」への転換~』という文書の中で提唱されているもので、国土交通省による造語のようです。本ガイドライン(案)の中では次のように定義されており、また含むべき内容や構成もガイドライン(案)の中で示されています。

空港全体としての機能保持及び早期復旧に向けた目標時間や関係機関の役割分担等を明確化したもので、「B-Plan」、「S-Plan」等により構成。全ての空港利用者(滞留者)の安全・安心の確保、背後圏の支援、航空ネットワークの維持を目的として、空港ごとに策定。関係機関が個別に策定する BCP(個別 BCP)と連動することにより、当該空港としての事業継続を目指す。

発表資料によると、本ガイドラインに関しては 2018 年 9 月に発生した台風 21 号による空港への被害を契機に検討が始まったそうで、確かに先般の台風被害における教訓が取り入れられた内容となっています。

過去の災害から学んでこのようなガイドラインが発表されるのは有意義だと思いますが、一方でガイドラインが発表されるたびに新たな概念やモデルが増えると、混乱を招くのではないかという懸念も多少感じます。

 

(参考)国土交通省: 災害多発時代に備えよ!!~空港における「統括的災害マネジメント」への転換~ (2019 年 4 月 10 日発表)
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku09_hh_000130.html

(URL が変わるかも知れないので勝手ながら魚拓を取らせていただきました。 —> https://megalodon.jp/2019-1227-1447-59/www.mlit.go.jp/report/press/kouku09_hh_000130.html

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BCI が緊急事態発生時のコミュニケーション手段に関するアンケート調査を実施中

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BCI(The Business Continuity Institute)が「Emergency Communications Survey」というアンケート調査を実施しています。

これは企業などにおける、災害などの緊急事態が発生したときに用いられるコミュニケーション手段に関する実態調査で、 年から継続的に行なわれており、今回が第 6 回となります。
本稿にアクセスして下さった皆様も、調査にご協力いただければ幸いです。

下記 URL にアクセスしていただくとアンケートフォーム(英語)が開きます。
https://www.surveymonkey.co.uk/r/3NZ87GC

アンケートは匿名で回答できます。調査結果は報告書にまとめられて公開されます。2016 〜 2018 年版の報告書については「リスク対策.com」Web サイトで下記の通り紹介させていただきましたので、こちらもお読みいただければ幸いです。

【海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!】

進化する緊急事態コミュニケーション – BCI / Emergency Communications Report 2019
(2019/01/29 公開)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/14819

緊急事態下でのコミュニケーションに関する実態調査(2017 年版) – BCI Emergency Communications Report 2017
(2017/12/28 公開)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/4475

緊急事態下でのコミュニケーションの実態 – BCI Emergency Communications Report 2016
(2017/06/27 公開)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/3158

大阪の高石商工会議所が「BCP(事業継続計画)ワークショップ」開催

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2019 年 12 月 11 日(水)13:00 から 16:30 まで、高石商工会議所で「BCP(事業継続計画)ワークショップ」が開催されるそうです。下記 URL で募集チラシをご覧いただけます。
https://www.tadaoka.or.jp/seminer/seminar_takaishi20191211.pdf

泉大津商工会議所和泉商工会議所忠岡町商工会の共催となっています。)

講師は「東京海上日動火災保険株式会社」と書かれていますが、実際にはその子会社である「東京海上日動リスクコンサルティング」のコンサルタントが担当されるのではないかと思います。

チラシを見ると「BCP が僅か『半日』で策定できるようになる!」と書かれています。これをご覧になった方々の中には、「本当に半日でできるのか?」と疑いの目で見られる方も少なくないと思います。しかし、BCP の重要なポイントを押さえていただければ、半日で BCP の基本的な部分を固めることは十分可能ですし、私自身もそのような仕事をこれまで何度もさせていただきました。

特に対象が中小企業で、経営者(もしくは自社の事業状況を概ね把握されている幹部社員の方)が参画してくだされば、企業の実態に合わせて事業影響度分析(Business Impact Analysis:BIA)の手順を若干簡素化して実施することで、その企業における事業再開や復旧に取り組む上でのキモが分かります。その結果を踏まえて検討すれば、その企業にとって現実的かつ実用的な BCP の基本部分を半日程度で作ることができます(詳細な手順の文書化には別途時間がかかりますが)。

したがって、このワークショップが具体的にどのような内容になるのかは分かりませんが、「BCP が僅か『半日』で策定できるようになる!」というのも十分現実的な範囲ではないかと思います。

しかしながら本件に関しては、机上シミュレーション形式の体験型で BCP の必要性について学ぶというアクティビティまで含まれていますので、結構欲張りな企画のように思います。担当されるコンサルタントは結構大変なのではないかと思いますが、このような企画が全国各地で行われ、BCM に取り組む企業が少しでも増えると良いのではないかと思います。

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鹿児島銀行が BCP 策定支援サービスを開始

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鹿児島銀行がグループ会社の九州経済研究所や倉庫業の九州共同(株)などと組んで事業継続計画(BCP)策定を支援するサービスを始めたそうです。

「鹿児島銀、BCP策定支援サービス 」(日経新聞 Web サイト 2019/10/23 付記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51293690T21C19A0LX0000/

鹿児島銀行 2019/10/21 付プレスリリース
https://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/news20191021_021.pdf

九州経済研究所 Web サイト(https://www.ker.co.jp)に掲載されている同研究所のコンサルティングサービスには、今のところ BCP に関するコンサルティングが掲載されていませんので、これを機に新規参入されたのかもしれません。いずれにしても、事業継続マネジメント(BCM)に関するビジネスに取り組む方々が増えるのは、BCM の普及に繋がると思います。

しかも本件においては、鹿児島銀行の営業担当者が企業からニーズを聞き出して九州経済研究所のコンサルタントに繋ぐという事ですので、地域密着の営業網を通じて BCM の普及が進む可能性が期待できます。

なお九州共同(株) の Web サイト(https://www.k-kyodo.co.jp)には、本件に関する情報は見当たりませんでした。

ところで、鹿児島銀行のプレスリリースには、「地域別 BCP 策定率」として次のような数字が掲載されています。

  • 全国平均: 15.0%
  • 鹿児島県: 11.3%
  • 宮崎県: 16.7%
  • 沖縄県: 10.5%

「民間調査会社調べ」としか書いてありませんので情報源が不明ですが、先日このブログでご紹介した日本商工会議所 LOBO 調査での全国平均が 14.5%、帝国データバンク千葉支店による調査での千葉県内の企業における BCP 策定率が 14.9% であり、上の数字ととても近いので、やはり日本企業における BCP 策定率の相場感はこのくらいなのかな、と思います。

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台風 19 号の影響でスバルの工場が操業停止

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スバルでは台風 19 号の影響で、16 日午後 3 時すぎから群馬県太田市の本工場を含む複数の工場で操業を停止したそうです。操業再開は 25 日の見込みとのことです。

【台風19号】スバル、車生産停止 部品取引先被災が打撃(下野新聞 Web サイト 2019/10/23 付記事)
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/235065

(ニュースサイトの記事はそのうち削除される場合が多いので、勝手ながら魚拓を取らせていただきました。
https://megalodon.jp/2019-1024-1938-12/https://www.shimotsuke.co.jp:443/articles/-/235065

上の記事によると、被害を受けたサプライヤーが相当数ある中で、代替のきかない重要なサプライヤー数社が冠水による事業中断に陥ったとのことで、スバルから重要サプライヤーに対して設備保全担当社員を送り込んで支援しているようです。

このような事案が発生すると、「事業中断に陥ったこと」事態が必要以上に注目され、「このようなことにならないよう万全の災害対策を」みたいな意見が多数出てくるのでしょうが、サプライチェーンの脆弱性あれだけ大規模な被害をもたらした台風ですから、多くの企業が事業中断に陥るのは、(たとえ BCM の取り組みが行われていたとしても)ある程度やむを得ないと思います。事業中断に陥ってはいけないのではなく、事業中断をどの程度の期間に収めればよいかを考え、ある程度の事業中断は許容するという共通理解のもとに、サプライヤーを含む関係者が協力しあって事業の再開・復旧を目指せれば良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

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日本商工会議所 LOBO 調査における BCP 策定状況の調査結果(2019 年 9 月)

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日本商工会議所が実施している早期景気観測調査(LOBO 調査)の 2019 年 9 月調査(9 月 30 日公表)では、「付帯調査テーマ」のひとつが「事業継続計画(BCP)の策定状況」となっていました。調査結果は下記 URL に掲載されています。

https://cci-lobo.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/LOBO201909-1.pdf

BCP の策定状況に関する調査結果は上記リンク先にある PDF ファイルの 3 ページ目(表紙を除くと 2 ページ目)に記載されており、BCP を策定済みの企業は 14.5% となっています。

調査対象は日本商工会議所の会員企業であり、かつ日本商工会議所の会員企業の約 9 割が中小企業であることから、この調査結果には日本の中小企業における実態が反映されていると考えて良いでしょう。

先日掲載した帝国データバンク千葉支店による調査では、千葉県内の企業における BCP 策定率が 14.9% との事でしたが、これと非常に近い数字となっています。

あくまでも個人的な意見ですが、内閣府の調査による数字よりもこれらの数字のほうが日本企業における BCP の実態に近いのではないかと思います。もちろん内閣府の調査が信頼できないという意味ではなく、内閣府の調査の方が調査対象における大企業の割合が多いので、調査結果も大企業寄りになっているのではないか、という事です。

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千葉県内企業における BCP 策定率は 14.9%(帝国データバンク調査)

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2019 年 10 月 9 日付け『千葉日報』Web サイトで下記の記事を見つけました。

「BCP策定14.9%止まり 帝国データバンク調査、中小企業ほど割合低く」
https://www.chibanippo.co.jp/news/economics/634075 (2019 年 10 月 18 日アクセス)

帝国データバンク千葉支店が県内企業を対象として今年 5 月に実施したアンケート調査(回答数 222 社)によると、県内企業で BCP を策定している企業は 14.9% なのだそうです。

いかんせん有料記事なので詳細を読めず (^_^; 、帝国データバンクの Web サイトにも本件が掲載されていないため詳細不明なのですが、内閣府が 2018 年 2〜3 月に実施した実態調査によると、BCP 策定済みと回答している企業は 38.2%(大企業に限れば 64.0%)となっていますので、この数字と比べると見劣りがするかな、というところです。

もちろん調査対象や手法など詳細がわかりませんので、単純比較して良いかどうかは疑問ですが、いずれにしても低い数字であることには変わりがないので、BCP およびその素地となる事業継続マネジメント(BCM)の普及を早く進めていきたいところです。

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