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陸上自衛隊の仮設浴場の現物を拝見

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毎年恒例の「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2020」で、陸上自衛隊の仮設浴場が展示されていました。

大規模災害が発生した際などに被災地に設営されるものですが、万が一の軍事行動で部隊を展開した際にも全く同じように設営されるそうです。

仮設浴場なので、もっと簡素なものかと思いましたが、蛇口やシャワーなども銭湯などで使われているものと同じような一般的なものが備えられていて、ちゃんと普通の風呂でした。
(実際に設営される際には、この浴槽とシャワーが備えられたテントがもう一つ設営されるそうです。)

ボイラーと発電機。

こちらが貯水槽。10kl 入るようです。

スタッフが 7 人いれば 3 時間程度で設営できるそうです。

こういう設備の出番がないのが一番ですが、災害派遣などで今後も活躍される機会があると思います。がんばっていただきたいと思います。いつもお疲れさまです。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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「自然災害」と呼ぶのをやめよう

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昨年から「#NoNaturalDisasters」というキャンペーンが始まっているのを最近知りました。

日本語でもよく「自然災害」という言葉が使われますが、端的に言えばこのキャンペーンは、「自然災害」(natural disaster)という言葉を使うのをやめよう、というものです。

本来は「自然災害」という言葉は、地震や津波、洪水、土砂災害などの自然現象によって人間社会に発生する被害の総称として用いられます。これらの被害をもたらす自然現象そのものを人間の力で防ぐことはできませんが、これらの現象による被害を防いだり、被害規模を小さくすることはできます

しかし実際には、前述のような自然現象そのものを指して「自然災害」と呼ばれることも多いため、自然現象とそれらによる被害(災害)との区別が曖昧になりがちです。このような混同の結果として、自然現象による被害も避けられないという誤解を助長しかねず、災害対策なんてやってもムダという諦めに繋がりかねません。

英語では地震や風水害など、災害をもたらす現象を「hazard」と呼ぶので、上のような誤解を防ぐために、これからは災害をもたらすような自然現象を「natural hazard」と呼び、「natural disaster」という用語を使うのをやめよう、と提案されています(注 1)。

以上は英語での話ですが、hazard とそれらによる被害とを区別すべきなのは日本語でも同様です(注 2)。ただし hazard に相当する適当な単語が日本語になく、そのままカタカナで「ハザード」と呼ぶことが一般的なため、natural hazard は「自然ハザード」ということになります。

「自然ハザード」という呼び方は日本では馴染みがないと思いますし、私自身もそのような呼び方を使ったことはありませんが、これからは「自然ハザード」という呼び方を広めていきたいと思います。この趣旨にご賛同いただける方は、ぜひ積極的に「自然ハザード」という呼び方を使ってみてください。

ちなみに「#NoNaturalDisasters」キャンペーンの Web サイトは下記 URL のとおりです。英語だけですが、ぜひアクセスしてみてください。

https://www.nonaturaldisasters.com/

【注釈】

  1. 国連防災機関(UNDRR)(旧名称:国連国際防災戦略事務局 UNISDR)から発表される各種資料では、数年前から「natural hazard」という用語が使われています。
  2. 日本の災害基本法でも、「災害」は「災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう」と定義されています(第二条)。長すぎて分かりにくいですが、要するに最後の「〜により生ずる被害をいう」という部分を見れば、hazard ではなくそれらによる被害のことを「災害」と定義していることが分かります。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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BCM に採り入れることをお勧めしたい損害保険

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大手損保各社から、主に中小企業を対象として、地震による事業中断に伴う休業損失をカバーする保険が、2013 年の秋ごろから発売されています。

主な商品を以下にご紹介しますが、特徴的なのは、自社が直接被害を受けていなくても、離れた地域で発生した地震の影響で落ち込んだ利益に対して、保険金が支払われるということです(ただし対象とする地域を契約時に設定しておく必要があります)。

例えば、関東にあるメーカーが、主要な部品や原材料を九州のサプライヤーに依存している場合や、首都圏からの観光客が多いような関東郊外の観光地では、自社の設備などに損害が発生しないような遠くの地震による利益の減少が懸念されます。従来から提供されている利益保険は、自社の設備等に被害が発生したことによる事業中断が対象なので、自社の設備等に損害が発生しなければ、原則として保険金は支払われません。

自社に損害が発生しなかった場合に対するリスクファイナンスの手段としてはデリバティブも考えられますが、今回紹介する保険商品の方が、カバー金額に対する導入コストが安価なうえ、デリバティブよりも購入しやすいと思われます(デリバティブの取引は日本証券業協会の外務員に外務員として登録されている人しか出来ないが、保険は保険会社や代理店から購入できるため)。

特定地震危険補償利益保険(損保ジャパン)
https://www.sompo-japan.co.jp/hinsurance/risk/benefit/speq/

超ビジネス保険 – 休業に関する補償 – 地震休業補償特約(東京海上日動)
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/jigyo/cho_business/hosho/kyugyo_tokucho06.html

このような保険商品は、現状ではあまり知られていないようですが、中小企業を中心に上手に活用していただきたいと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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ISO の各種マネジメントシステム規格による認証取得状況(2018 年時点)

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ISO の Web サイトにて、2018 年の時点での各種マネジメントシステム規格による認証取得数のデータが公開されています。

これは「The ISO Survey」というタイトルで以前から行われているもので、現在掲載されているのは 2019 年 9 月に発表されたものです。次の URL でご覧になれます。

https://www.iso.org/the-iso-survey.html

いくつかの理由により 2018 年分から集計方法が変わったようで、過去のデータとの単純比較はできなくなったようです。

事業継続マネジメントに関する規格「ISO 22301」に基づく認証取得数も国別に集計されており、上位 10 位までは次のようになっています。

1 位: 英国(190)
2 位: シンガポール(106)
3 位: インド(105)
4 位: 日本(61)
5 位: 韓国、UAE(57)
7 位: スペイン(47)
8 位: 中国(45)
9 位: タイ(43)
10 位: ナイジェリア(30)

英国とシンガポールで認証取得が進んでいるのは以前から知っていましたが、中国や韓国、タイでの数字が伸びてきているのが少し意外でした。またマレーシアがここに入らなかったのも意外でした(個人的な印象としてはタイより上だと思っていました。

なお日本の数字に関しては、一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)の Web サイトで公開されている情報によると、日本国内での認証取得数は 93 ということになっています(2020 年 2 月 23 日時点)。これは下記 URL で確認できます。

https://isms.jp/bcms/lst/ind/index.html

確か 2018 年ごろに JIPDEC の Web サイトで確認したとき既に 90 組織くらいでしたので、この 2、3 年は大きな動きはないと思います。ISO 側の数字とかなり差があるので、集計方法が何か違うのかもしれません。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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愛知県が作成したテレワーク導入マニュアルと事例集(新型コロナウィルス対策にも有効)

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愛知県の Web サイトに『新型コロナウイルス感染症対策として「テレワーク」の活用をご検討ください!』と題して、テレワーク導入マニュアルや事例集、モデル就業規則などが掲載されています。下記 URL からアクセスできます。

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/rodofukushi/telework.html

いちばん上に掲載されている『はじめてのテレワーク(テレワーク導入マニュアル)』は PDF で 32 ページあるのですが、20 ページにわたって県内企業 10 社におけるテレワーク導入事例が掲載されています。もちろん記載内容のほとんどは、愛知県以外の地域でも参考になるものです。

なお導入事例においては各社が実際にどのようなシステムを使用したのかが、実名で記載されており、LINE WORKSサイボウズZoomkintoneMicrosoft TeamsSlackGoogle HangoutsChatwork など多岐にわたっています。そういう観点でも幅広く掲載されている事例集と言えます。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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参考> 新型インフルエンザ流行時(2009 年)における企業の対応状況(労務行政研究所)

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一般財団法人労務行政研究所(https://www.rosei.or.jp/)が 2009 年に実施した調査の結果が公開されていることを最近知りましたので、メモとしてここに掲載しておきます。

2009 年に新型インフルエンザ(H1N1)が流行した際に、主に労務管理に関して企業がどのように対応したか、アンケート調査を行った結果が、同年 9 月 9 日付で公開されています。

特に、従業員に感染が確認され,本人を自宅待機とした場合の賃金等の取り扱いや、同居家族に感染が確認された場合の,従業員の自宅待機の取り扱いについては、新型コロナウィルスにも共通する課題かと思います。

(ただし、当時と今とでは政府の対応なども含めて状況が異なることを考慮する必要はあるでしょう。)

なお調査結果は下記 URL から PDF でダウンロードできます。
https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000008228.pdf

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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WHO の新型コロナウィルス感染状況マップ

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ジョン・ホプキンス大学がコロナウィルスの感染状況マップを公開して話題になりましたが、WHO も同様の情報公開を始めました。

リンク先はこちら。

ちなみに両方とも ESRI の ArcGIS を使っています。

(2020.2.26 追記)
今日アクセスしてみたところ、ログインが必要になっており、アカウントを持っていないとアクセスできなくなっています。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナウィルス感染状況マップ

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ジョンズ・ホプキンス大学が新型コロナウィルスの感染状況マップを ArcGIS で作成して公開しています。

https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

なお横浜に停泊中のクルーズ船での感染者数は、入国していないため日本国内の数としてカウントされず、「Others」という扱いになっているので、注意が必要です。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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これからの社会を変えていくための「ロジスティクスコンセプト 2030」

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今日は公益社団法人ロジスティクスシステム協会様(略称:JILS)の新春講演会と賀詞交歓会に出席してきました。これは私自身が JILS 様の「国際物流管理士資格認定講座」で数年前から「リスクマネジメント概論」の講義を担当させていただいているご縁で、ご招待いただいたものです。

講演会では JILS 様の「ロジスティクス総合調査委員会」が調査・議論の末にとりまとめられた、「ロジスティクスコンセプト 2030」が発表され、講演会の後にその冊子が配布されました。

この内容は後日 JILS 様の Web サイトに掲載されるそうですので、公開されたら多くの皆様にご覧いただけると良いのではないかと思いますが、物流業界やサプライチェーンの現状だけではなく、経済動向や気候変動問題への対応、SDGs 達成に向けての貢献など様々な観点を踏まえた提言となっています。

提言は、俯瞰的・メタ的思考での「ロジスティクス」の再定義、現在のオープンエンド型から循環型・クローズドエンド型へのサプライチェーンの再構築、猛烈な標準化の推進などの 7 項目にまとめられています。いずれも長期的な視野で書かれていながら、実は今すぐにでも取り掛かるべき切迫した課題であるように思います。

特に面白いと思ったのが「パケット・ルーティング・ロジスティクス」というコンセプトでした。詳細説明は控えますが、冊子の裏表紙にも図が示されており、インターネット上をデータのパケットが転送されていく仕組みに似たような形で物理的なパケットが送られていくシステムが、将来的なロジスティクスの「あるべき姿」の一つとして提案されていました。

今回お披露目された様々な提言や「あるべき姿」を具現化していくためには、既存の考え方、習慣、事業構造からの脱却が必要になるのは言うまでもありません。また(講演会や冊子の中では触れられていなかったので私の個人的な見解ではありますが)提言されているような「猛烈な標準化」やサプライチェーンの再構築の過程で、人材の流動化、破壊的イノベーションの導入、これらに対応できない企業の淘汰(場合によっては勝者総取りや寡占化)が進む可能性が高いと思われます。

しかしながら、冊子に示されている各種データを見れば国際社会の進む方向は明らかですし、もし仮に日本のロジスティクスがこれらの提言を実行しなくても、国際的なロジスティクスは恐らくこのような方向に向かっていくと思われるので、すくなくともそれに乗り遅れず、かつ飲み込まれないように先取りで行動していく必要があると思いました。

講演会の後は賀詞交歓会が経団連ホールで盛大に行われました。300〜400 人くらいおられたのではないかと思います。これだけ多くの企業や組織が集まる業界ですので、今後の取り組みに期待したいと思います。

 

合同会社 Office SRC 代表 田代邦幸

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太陽フレアによる事業中断の可能性

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本日、「京大天文教室 in 丸の内」の第 8 回となる、柴田一成教授の「太陽フレアと宇宙天気予報」を受講しました。

(2019 年度の「京大天文教室 in 丸の内」の詳細は下記 URL に記載されています。)
https://www.saci.kyoto-u.ac.jp/event/e_event/place/kaf/10257.html

今回は太陽フレアと、それによる磁気嵐の影響についてとても分かりやすく解説してくださいました。磁気嵐に関しては、知識としては知っていたものの、発生した場合の影響についてはあまり具体的に考えたことがありませんでした。しかしながら、もし大規模な磁気嵐が発生すると、変電所の変圧器の破損による大規模停電や、広範囲にわたる通信障害、GPS の機能不全などが発生する可能性があるとのことです。

なお、磁気嵐による障害は過去に度々発生しているそうで、講座で紹介された事例だけでも次の例があります。

  • 2003 年 10 月 28 日に大規模な磁気嵐が発生し、カナダで高緯度域を飛ぶ航空機との通信の一部に障害が発生した(飛行には影響なし)。
  • 1989 年 3 月 13 日に発生した磁気嵐の影響で、カナダのケベック州で 9 時間にわたって大規模停電が発生し、600 万人に影響が発生した。

私自身の周囲では、事業継続に関する文脈で磁気嵐が話題になったことはありませんが、英国の National Risk Register や米国の規格 NFPA 1600 では、次のとおり磁気嵐による影響に関する言及があります。BCM 関係者としては、事業中断を招きかねないリスクとして認識しておく必要があると思います。

  • 英国政府が発表している「National Risk Register」の 2017 年版では、緊急事態を引き起こしうるリスクのひとつとして、太陽フレアを含む「Space weather」がリスクマトリクスに記載されており、これに関する説明に全 71 ページ中 2 ページが割かれています。

National Risk Register of Civil Emergencies – 2017 Edition
https://www.gov.uk/government/publications/national-risk-register-of-civil-emergencies-2017-edition

  • 全米防火協会から発行されている、事業継続に関する規格「NFPA 1600」の 2019 年版では、リスクアセスメントにおいて評価すべきハザードのリスト(項番 E.7.4.2.1)の中に、「Geomagnetic storm」(磁気嵐)が記載されています。

NFPA 1600 – Standard on Continuity, Emergency, and Crisis Management
https://www.nfpa.org/codes-and-standards/all-codes-and-standards/list-of-codes-and-standards/detail?code=1600

また、講座では太陽の動向を知るために役立つ Web サイトを教えてくれました。これらのサイトもたまにはチェックしておく必要があるかなと思います。

  • 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)宇宙天気予報センター
    http://swc.nict.go.jp/
  • 宇宙天気ニュース(鹿児島工業高等専門学校の篠原学教授による)
    http://swnews.jp/
  • SolarHam – 様々な研究機関などの情報源から得られる太陽の最新情報を掲載し続けている Web サイト
    https://www.solarham.net/

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